前職を退職し新たな会社に転職する際、年金や保険証などを切り替えしなければいけない。切り替えは会社で行ってくれると思われがちだが、ケースバイケースでは自分で手続きしなければいけない。手続きを忘れてしまうと未払いになってしまうため、これから転職する人は事前に把握しておくべきだ。
本記事では年金の切り替え方法とポイント、Q&Aを紹介する。ぜひ参考にしてほしい。
年金の切り替え方法
ここでは年金の切り替え方法を紹介する。
3つの種類
年金には以下の3種類ある。
国民年金 | 厚生年金 | 私的年金 | |
---|---|---|---|
加入者 | 自営業者農業者学生無職 | 会社員公務員 | 誰でも |
年金の種類 | 老齢基礎年金 障害基礎年金 遺族基礎年金 | 老齢厚生年金 障害厚生年金 遺族厚生年金 | 確定給付企業年金 確定拠出年金 個人年金保険 |
会社員の方は、誰でも厚生年金を支払う。一方で個人事業主やフリーランス、学生などは国民年金だ。私的年金は支払い義務がないため任意であるが、iDeCoなどが近年人気が高くなっている。将来的に貯蓄・資産運用を行う目的で始める方も増えている。
退職日翌日から入社する場合
退職日翌日から転職先へ入社する場合、個人で切り替えする必要はない。一般的には転職先の人事または総務の方で手続きしてくれるケースが多い。
退職日から日数が空く場合
前職を退職し、次の会社へ入社するまである程度期間が空く場合、個人で一度国民年金に切り替えなければいけない。例えば5月31日に退職し、7月1日に入社する場合などが挙げられる。
とはいえある一定期間であれば切り替えは不要となるため、後ほど詳しく紹介する。
個人事業主から会社員になる場合
個人事業主やフリーランスなどから会社へ入社することになった場合、国民年金から厚生年金へ切り替えする必要がある。今の会社を辞め、個人で働いた後、再度企業に勤めることになったケースだ。
手続きは入社する企業で行ってくれるため、後ほど紹介する必要書類を用意しておこう。
年金手続きのポイント
ここでは年金の切り替えをする際の手続きポイントを紹介する。
切り替えは14日以内
前職を退職した日の翌日から14日以内に切り替えなければいけない。つまり、退職してから次の会社へ入社するまでの日数が14日以内であれば、国民年金へ切り替える必要がないということだ。
ここでの退職日は、最終出勤日ではなく、有給休暇などを消化した最後の在籍日である。とはいえ14日を過ぎても罰則などはない。会社によっては離職票が遅れて届く場合もあるため、届き次第手続きするようにしてほしい。
必要書類について
国民年金へ切り替えをする場合、以下の書類が必要となる。
- 年金手帳、または基礎年金番号通知書
- 身分証(運転免許証、マイナンバーカードなど)
- 退職日を確認できるもの(離職票、退職証明書など)
- 印鑑
なお転職した場合も同様の書類が必要となるが、人事や総務に書類を渡せば手続きしてもらえることが多い。詳しくは転職先の企業へ確認してほしい。
手続き場所
国民年金への切り替えは市役所や役場の窓口で行う。先ほどの必要書類を持参すれば、簡単に手続き可能だ。手続きの流れは以下のようになる。
- 離職票を取得
- 市役所・役場で手続き
- 後日納付書が届く
離職票がなければ手続きはできない。そのため早めにもらっておくことをおすすめする。
年金に関するQ&A
最後に年金に関するQ&Aを紹介する。
年金の費用はどれくらい?
厚生年金は個人と企業が折半している。費用は報酬月額の18.3%となるが、個人では9.15%支払うことになる。詳しくは以下の表を確認してほしい。
単位:円
標準報酬 | 報酬月額 | 全額(18.3%) | 折半額(9.15%) |
---|---|---|---|
標準報酬 | 報酬月額 | 全額(18.3%) | 折半額(9.15%) |
180,000 | 175,000~185,000 | 32,940 | 16,470 |
190,000 | 185,000~195,000 | 34,770 | 17,385 |
200,000 | 195,000~210,000 | 36,600 | 18,300 |
220,000 | 210,000~230,000 | 40,260 | 20,130 |
240,000 | 230,000~250,000 | 43,920 | 21,960 |
260,000 | 250,000~270,000 | 47,580 | 23,790 |
280,000 | 270,000~290,000 | 51,240 | 25,620 |
300,000 | 290,000~310,000 | 54,900 | 27,450 |
320,000 | 310,000~330,000 | 58,560 | 29,280 |
340,000 | 330,000~350,000 | 62,220 | 31,110 |
360,000 | 350,000~370,000 | 65,880 | 32,940 |
380,000 | 370,000~395,000 | 69,540 | 34,770 |
410,000 | 395,000~425,000 | 75,030 | 37,515 |
440,000 | 425,000~455,000 | 80,520 | 40,260 |
470,000 | 455,000~485,000 | 86,010 | 43,005 |
500,000 | 485,000~515,000 | 91,500 | 45,750 |
530,000 | 515,000~545,000 | 96,990 | 48,495 |
560,000 | 545,000~575,000 | 102,480 | 51,240 |
590,000 | 575,000~605,000 | 107,970 | 53,985 |
620,000 | 605,000~635,000 | 113,460 | 56,730 |
650,000 | 635,000~ | 118,950 | 59,475 |
国民年金が支払えない場合は?
転職先が見つからず、国民年金が支払えない場合は、「免除」または猶予することが可能。免除額は経済状況によって異なるが、以下のいずれかだ。
- 全額
- 3/4
- 1/2
- 1/4
まとめ
今回は年金の切り替え方法とポイント、Q&Aを紹介してきた。退職してから14日以内に次の会社へ転職する場合、切り替えが企業の方で行ってくれる。
しかし14日以降であれば、一度国民年金に切り替えしなければいけない。万が一忘れても罰則などはないが、結果支払うことになるため、手続きを忘れないようにしてほしい。