全国銀行協会によると、2022年3月末時点で全国の職員数は27万1515人で、5年連続で減少が続いている。転職が当たり前といわれている時代とよばれている中、金融業界でも人材の流動性が加速しつつある。
金融業を経験した人は、転職する場合にどのような業界に進む場合があるのか。
今回は、金融業を経験したからこそ、転職で活かせる強みや転職先について紹介する。
金融業界の経験者が転職で活かせる強み
金融業の経験者が転職で活かせる強みは、大きく3つに分けられる。
- 粘り強さ・目標達成意識
- 専門知識が備わっている
- 逆算思考
- 柔軟な対応力
転職においてはいずれも重要な項目ばかりだ。それぞれ解説していこう。
粘り強さ・目標達成意識
粘り強さ・目標達成意識は、金融業を経験しているからこそ得られる強みである。銀行や証券会社、保険会社のリテール営業では、月単位や週単位で目標設定が行われる。そのため、目標達成するための意識づけは徹底されている。
目標達成のために、最後まで諦めずに行動を続ける継続性と粘り強さは、転職にもアピールポイントとして活かせる強みである。
金融業の経験者が、転職に活かせる強みの1つに「粘り強さ・目標達成意識」がある。
お金にまつわる専門知識が備わっている
お金に関する専門知識が備わっている点も強みだ。金融業を経験していれば、お金にまつわる幅広い知識を身につける機会がある。また、財務や税務といった周辺知識も獲得できるので、同じ金融業に転職するにしても活かしやすい。
専門知識が備わっているので、新しい転職先でも知識面や業務において困る事が少ない点がメリットとなる。
逆算思考
逆算思考は、自身の目標やあるべき姿の達成に向けて、何をすべきかを思考し、どう行動すべきかを設計できる力である。目標の達成に向けて行動しているため、自然とこうした考えが染みついている。
達成したい目標に向けて、やるべきことを逆算する力が備わっていることは、金融業を経験している人の強みといえる。
柔軟な対応力
金融業は、法律が改正されるとこれまでの対応を柔軟に変化させる必要がある。
また、顧客とのやり取りでも、柔軟な対応が求められる。新しく求められる知識や業務において、スムーズに対応できる力も強みである。
金融業の経験者に有利な転職先
金融を経験した人が転職先にする選択肢を解説する。金融業の経験者が転職先として選ぶ先は、以下の5つである。
- 銀行
- 証券会社
- 保険会社
- 金融系シンクタンク
- IFA
それぞれ確認していこう。
銀行
銀行は、顧客への営業活動や資金繰りのアドバイスを行い、融資や資産運用ができる商品を案内する。営業活動では、目標に対して行動計画を立てて、実行していく必要がある。
また、事務スキルとしても丁寧さや細かい点にも注意が向けられるスキルが必要となる。
証券会社
証券会社は、投資家に株式や債券を購入するサポートをする役割を持つ。投資に関する知識はもちろん必要だが、顧客との信頼を深めるための、コミュニケーションスキルも大切である。
また、営業目標を達成するために日々活動を行うので、粘り強さや逆算思考も培われる。
保険会社
保険会社は、顧客に最適な保険商品を案内する役割がある。顧客の不安や悩みに対する解決策を提案する必要があるので、傾聴力や提案力が培われる。家計や財務諸表を見ながら相談する場合もあるので、金融系の知識が幅広く獲得できる。
金融系シンクタンク
金融系シンクタンクは、国内外の経済情勢や金融市場をリサーチし、今後の動向や将来予測を提言する役割がある。リサーチ力だけでなく、論理的思考力やコミュニケーションスキルが求められる。
IFA
IFAは独立系のファイナンシャルアドバイザーと呼ばれる、特定の金融機関や会社に所属しないアドバイザーである。特定の金融機関や証券会社の販売方針や影響を受けず、独立した立場で顧客の資産を増やすサポートをする。
日本証券業協会の資料によると、2022年6月に発表されたIFAの登録者数は、5,558人だった。IFAは近年、アドバイザーが増え続けており、金融業で経験してきた知識や経験を活かしたい人が転職している。
以上から、金融業を経験していた人の転職候補は多岐にわたる。顧客との関係性の構築が必要になるIFAや保険会社から、精度の高いリサーチ・分析力が必要なるシンクタンクなど、転職先によって求められるスキルも変わる。
金融業の経験者だからこそ、どのようなキャリアを進みたいのか、しっかりと分析しておく必要があるだろう。
金融業の経験者が転職で気を付けたいこと
金融業を経験している人が転職で気を付けるべきことは、以下の2つである。
- 年収や待遇面が転職でどのようになるか
- 業務内容や企業風土に乖離はないか
それぞれの注意点について確認しておこう。
年収や待遇面が想定より下がらないか確認
年収や待遇面が、転職によってどのように変わるかは注意して確認しておく必要がある。厚生労働省が発表した「令和3年賃金構造基本統計調査の概況」によると、金融業の賃金は38万3500円だった。
産業別では「電気・ガス・熱供給・水道業者」「学術研究、専門・技術サービス業」に次ぐ、3位に位置している。収入の高い業界だからこそ、転職時に想定より収入や待遇が下がらないように気を付ける必要がある。
業務内容や企業風土についてイメージ通りか確認
業務内容や企業風土にも気を付けておきたい。金融業で経験があるからといっても、細かい業務内容や企業風土は転職先で変わってくる。会社の業務内容や企業風土が、現職と比較してどうなのかは確認しておきたい。
あまりにも自分の思っている業務内容や企業風土であれば、転職先として候補とすべきなのかもじっくり考えるべきだろう。
金融業の経験者こそ転職エージェントに相談しよう
金融業を経験した人が、転職する際の強みや候補となる新しい転職先について解説した。金融業を経験していると、粘り強く目標達成に向けて行動できる点が強みである。また、専門知識や柔軟性があるので、転職先でもスムーズに業務が行える。
目標を達成するための逆算思考もできるので、自律して活動できる点も強みといえるだろう。
そのため、転職先としてあらゆる業界が候補になる。金融業で転職する場合は、顧客とのやり取りが中心となるIFAや銀行のほか、シンクタンクも候補となる。
経験者が転職する場合に注意したいのが、年収や業務内容が変わらないのか、しっかりリサーチしておく必要がある。非公開求人や転職先を知りたいなら、転職エージェントに相談するのも検討すると良い。
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