今の給与に満足していない方や、生活費にゆとりを持ちたいという方は転職を検討し始めることも多い。
転職すれば年収が上がると思われがちだが、実際は個人によって大きく異なる。ネットには「転職して年収が上がった」という書き込みが多くあるものの、実際本当なのか分からない。そこで今回、転職して年収が上がった方の割合を紹介する。
また高い年収を狙う3つの方法とおすすめの職種ベスト3を解説するため、年収アップを検討している方はぜひ参考にしてほしい。
転職して年収は上がる?
転職しても年収が上がるとは限らない。現在の年収が低い人は上がりやすいだろうが、高い人は数十万円程度では上がったと感じない方も多い。まずは日本の平均年収と、年収増加割合を解説し、実態の紹介をしていく。
日本の平均年収は436万円
国税庁が発表している「令和元年分 民間給与実態統計調査 調査結果報告」によると日本の平均年収は436万円だ。
年齢によって年収が異なるため、以下の表を参考にしてほしい。
年齢 | 男 | 女 | 男女計 |
---|---|---|---|
19歳以下 | 160万円 | 111万円 | 135万円 |
20~24歳 | 278万円 | 248万円 | 264万円 |
25~29歳 | 403万円 | 328万円 | 369万円 |
30~34歳 | 470万円 | 321万円 | 410万円 |
35~39歳 | 529万円 | 313万円 | 445万円 |
40~44歳 | 582万円 | 318万円 | 476万円 |
45~49歳 | 629万円 | 324万円 | 499万円 |
50~54歳 | 679万円 | 320万円 | 525万円 |
55~59歳 | 686万円 | 301万円 | 518万円 |
60~64歳 | 522万円 | 254万円 | 411万円 |
65~69歳 | 406万円 | 211万円 | 324万円 |
70歳以上 | 343万円 | 205万円 | 282万円 |
上記の表からわかるのは、今の年収が平均年収を超えている場合、転職しても上がる確率は下がるということだ。もちろん年収は個人によって異なるため、一概には言えないものの、平均年収から読み取ることができる。
一方で平均年収より低い人は転職して高くなる可能性も高いことを意味する。では実際年収が上がったという方は何割いるのだろうか。次の項で解説する。
厚生労働省の発表では年収増加は3割強
厚生労働省が発表している「-2019 年(令和元年)雇用動向調査結果の概況-」を確認すると、転職者の賃金増加割合は以下の通りとなった
- 増加した 34.2%
- 減少した 35.9%
- 変化なし 27.9%
転職は高い確率で年収増加に成功していると思われがちだが、実態は3割強という実態だ。
一方で減少したという割合も同じくらいあるため、必ずしも「転職=年収が上がる」とは言いがたいことがわかる。
高い年収を狙う方法とは
では年収を上げるにはどの業種を選択すればよいのだろうか。ここでは3つの方法を紹介する。
インセンティブが大きい業種
基本給やボーナス以外に、インセンティブが大きい業種を選ぶことで高い年収を狙うことが可能だ。一般的には営業職などが挙げられる。
例えば住宅メーカーや賃貸住宅建築メーカーなどは、売上高に対して1%前後のインセンティブを設定している会社が多い。住宅の平均単価が3,000万円前後、賃貸住宅の平均単価が6,000万円前後と仮定すると、1件契約を取ることで30万円〜60万円のインセンティブをもらうことが可能だ。年間約6件〜12件の契約が平均であるため、毎月の給料の他に大きな収入を得ることもできるだろう。
とはいえ、インセンティブの割合は各企業によって異なるため、事前に確認してほしい。また3%と設定している企業もあり、20代でありながらも1年間で1,500万円近い年収の方もいる魅力的な方法である。
中間管理職・経営陣として活躍できる職場
20代や30代であっても中間管理職や経営陣として活躍することも可能だ。高い能力であることはもちろん、規模が小さい会社が急成長をしている時に入社すれば、役職をもらうことができ、高い年収を得ることができるだろう。
専門分野に特化した業種
専門分野に特化した職種は年収が高い傾向にある。例えば以下のような職種だ。
- 医師
- 弁護士
- 税理士
- 大学教授
- エンジニア
- 航空機操縦士
国家資格を要する仕事は、年収が高い傾向にある。
しかし決して簡単に転職できるわけではなく、資格を取らなければいけないだろう。そのためスキルのない方や未経験者でも高い年収が狙える職種を次の項で紹介する。
高い年収が見込める職種ベスト3
ここでは高い年収が見込める職種を3つ紹介する。
金融関係
金融業界は主に「銀行」「証券会社」「保険会社」などが挙げられるが、大手金融会社であれば高い年収が見込める。営業やコンサルティング、企画提案などを担当している方は1,000万円以上の年収の人も多い。
さらに企業の買収などの補助を行うM&Aは、平均年収2,600万円以上ともいわれている。大きなお金を動かす業界でもあり、インセンティブ率も高いため、年収が高い業界だ。
一方仕事のレベルが高く、平均勤続年数も短いことから中途採用を多く行っている業界の一つだ。
建築営業
先ほどもお伝えした通り、建築営業の受注単価も高いことから大きなインセンティブをもらうことが可能だ。特に賃貸住宅営業は特段スキルは求められない。抜群の営業力さえあれば、未経験者でも活躍できる。
一方で、建築関係の知識だけでなく、法律や金融などの知識も求められるため、転職してから日々勉強しながら仕事をしなければいけない。また転職先の企業によって、インセンティブの割合が異なる。一例としては以下の割合が挙げられる。
- A社は売上げに対して1%のインセンティブを支給する
- B社はグループで営業を行ってもらうため、インセンティブをみんなで分け合う
- C社は利益に対して〇%のインセンティブを支給する。
上記の中ではA社が最も高いインセンティブを支給してもらえるため、高い年収を見込むことができる。転職する際は、事前にインセンティブの割合を確認してほしい。
総合商社
海外の輸出業貿易や国内の物流などを行う商社は高い年収が見込まれる。
幅広い商品やサービスを取り扱う企業の営業として勤めることが可能だ。インセンティブも設定している企業が多い一方、支給しない会社もあるため事前に見極めが必要である。
大手であれば基本的に設定されているが、小さな会社にはインセンティブがない場合もあるため注意してほしい。
まとめ
今回は、転職して年収が上がった方の割合と、高い年収を狙う3つの方法とおすすめの職種ベスト3を解説してきた。
転職は必ず年収が上がるとは限らない。場合によっては下がるケースもあるため、事前に確認しておく必要がある。
また、とにかく年収を挙げたい方は、本記事で紹介した3つの職種を検討しても良いだろう。契約を取るほどインセンティブがもらえるため、1,000万円や2,000万円と見込むことができる。
しかし売れなければ支給されないため、その点は理解したうえで検討してほしい。