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20代銀行員の転職は有利?メリット・デメリットと転職先候補を解説

「ノルマの精神的な負担が大きい」「金融業界の先行きが不安だ」「このまま銀行にいてよいのか分からない」などの理由から、20代で銀行からの転職を考える人は少なくない。

厚生労働省の公表では、令和4年3月卒の新規大卒就職者の3年以内離職率は33.8%だった。新卒で入社した会社を20代のうちに離れること自体は、決して珍しい選択ではない。

また、令和6年雇用動向調査では、転職入職率は20〜24歳が男性13.4%・女性14.3%、25〜29歳が男性15.1%・女性16.8%となっている。20代は、未経験職種への挑戦やキャリアの方向転換がしやすい時期といえる。

一方で、十分なスキルや経験が備わっていない段階でのキャリアチェンジには不安もあるだろう。新卒で入社した銀行が初めての勤務先であれば、なおさら慎重になるはずだ。

そこで本記事では、20代銀行員が転職するメリット・デメリット、銀行で得た強みの活かし方、転職活動を円滑に進めるためのコツについて解説する。

目次

銀行員が20代で転職する前に知っておきたいこと

20代銀行員の転職では、「早く辞めたい」という気持ちだけで動くのではなく、転職市場で自分がどのように見られるかを理解しておくことが大切だ。

20代前半と20代後半では、企業から期待されるポイントが変わる。20代前半であればポテンシャルや吸収力を見られやすい一方、20代後半ではこれまでの実績や再現性のある強みも求められやすい。

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年代転職活動で見られやすいポイント準備すべきこと
20代前半ポテンシャル、素直さ、社会人基礎力、早期離職理由転職理由を前向きに整理し、銀行で得た基礎力を具体化する
20代後半営業実績、専門知識、顧客対応力、マネジメントの素地数字で示せる実績や、次の職場で再現できる強みを整理する

銀行業界は、店舗運営、デジタル化、資産運用ビジネス、法人支援などの面で変化が続いている。全国銀行協会の資料では、2025年度中間期末の全国銀行108行の職員数は269,385人、店舗数は13,709店だった。

銀行に残るべきか、転職すべきかは人によって異なる。大切なのは、「銀行が嫌だから辞める」だけでなく、「次にどのような経験を積みたいのか」まで整理して判断することだ。

銀行員が20代で転職する3つのメリット

20代銀行員が転職のメリットを整理するイメージ

銀行員が20代で転職するメリットとして、次の3点が挙げられる。

  • 第二新卒・若手人材として転職活動ができる
  • 未経験の業種・職種にもチャレンジしやすい
  • 銀行員として身につけた基礎力を活用できる

それぞれ詳しく解説していこう。

第二新卒・若手人材として転職活動ができる

20代前半であれば、第二新卒として転職活動を進められる可能性がある。第二新卒に法律上の明確な定義はないが、一般的には新卒入社後3年以内の若手社会人を指すことが多い。

厚生労働省の新卒応援ハローワークでも、就職活動中の学生・生徒や卒業後おおむね3年以内の人を支援対象としている。企業によっては、若手人材を新卒に近い枠で採用し、入社後に育成する方針を取っていることもある。

銀行で一度社会人経験を積んでいることは、新卒時と比べて有利に働くことがある。ビジネスマナー、顧客対応、報告・連絡・相談、数字への意識など、社会人としての基本を一通り経験しているためだ。

「なんとなく安定していそうだから銀行を選んだ」という人でも、実際に働いた経験をもとに、自分に合う職場や働き方を再検討できる点は20代転職のメリットといえる。

未経験の業種・職種にもチャレンジしやすい

20代での転職は、未経験の業種や職種に挑戦しやすいことも特徴だ。

中途採用では、これまでの経験や専門性が重視される。しかし20代の若手人材であれば、経験が浅くても、今後の成長性、学習意欲、基本的なビジネススキルを評価されるケースがある。

特に、法人営業、無形商材営業、コンサルティング営業、金融専門職、事業会社の経理・財務などは、銀行での経験と接点を作りやすい領域だ。

「もう少し今の環境で頑張ってから転職した方がよいのではないか」と悩むこともあるだろう。ただし、異業種へチャレンジする場合は、年齢の若さが選考で有利に働くこともある。銀行で数年経験を積むメリットと、早めに環境を変えるメリットの両方を比較して判断したい。

銀行員として身につけた基礎力を活用できる

20代の銀行員による転職では、銀行で身につけた基礎力をアピールできる。

銀行では、入行当初からビジネスマナー、接遇、コンプライアンス、事務処理、顧客情報の管理などを厳しく学ぶことが多い。これらは業界を問わず評価されやすいスキルだ。

また、銀行業務では、顧客の資産状況や法人の財務状況など、重要な情報を扱う。正確性、慎重さ、守秘義務への意識は、他業界でも強みになる。

さらに、営業店で目標管理や顧客対応を経験している場合は、数字への責任感や提案力も評価されやすい。単に「銀行にいました」と伝えるのではなく、「銀行で何を経験し、どのような力が身についたのか」まで言語化することが重要だ。

銀行員が20代で転職する3つのデメリット

20代銀行員が転職のデメリットを確認するイメージ

銀行員が20代で転職することにはメリットがある一方、次のようなデメリットもある。

  • アピールできる専門性や実績が不足しやすい
  • 早期離職・ストレス耐性を懸念されることがある
  • 年収や福利厚生が一時的に下がる可能性がある

転職のリスクを理解したうえで、事前に対策しておこう。

アピールできる専門性や実績が不足しやすい

20代で転職するデメリットとして、企業側へアピールできる専門性や実績が不足しやすいことが挙げられる。

特に20代前半での転職では、金融経済に関する高度な専門知識や、大型案件の実績を売りにするのは難しい場合がある。中途採用の求人では、「法人営業経験3年以上」「金融機関での融資経験」「マネジメント経験」など、一定の経験年数を求めるケースもある。

ただし、実績が少ないからといって転職できないわけではない。若手採用では、成果の大きさよりも、行動量、改善経験、顧客対応で工夫した点、目標に向けて努力した過程が評価されることもある。

転職活動を始める前に、以下のような経験を整理しておきたい。

  • 担当した顧客数や訪問件数
  • 預金、融資、投資信託、保険などの提案経験
  • 目標達成率や表彰実績
  • 顧客から感謝された提案事例
  • 事務ミス削減や業務改善に取り組んだ経験
  • 資格取得や自己研鑽の内容

早期離職・ストレス耐性を懸念されることがある

新卒入行から短期間で転職する場合、企業側から「またすぐに辞めてしまうのではないか」と懸念されることがある。

そのため、転職理由を明確にしておくことが重要だ。特に、「ノルマがきつかった」「上司と合わなかった」「銀行業務がつまらなかった」といった不満だけを伝えると、面接官にネガティブな印象を与えやすい。

本音として不満がある場合でも、面接では「次の環境で何を実現したいのか」まで伝える必要がある。

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そのまま伝えると弱い理由面接で伝えやすい表現例
ノルマがきつかった短期的な販売目標だけでなく、顧客と長期的な関係を築ける営業に挑戦したい
銀行の将来が不安だった金融知識を活かしながら、より成長性のある領域で専門性を高めたい
仕事が合わなかったこれまでの経験を通じて、自分は〇〇領域で価値を発揮したいと分かった
支店の人間関係がつらかったチームで成果を出す環境を大切にしながら、より主体的に働ける環境へ移りたい

嘘をつく必要はないが、不満だけで終わらせないことが大切だ。転職理由、志望動機、入社後に活かせる強みを一貫させることで、早期離職の懸念を和らげやすくなる。

年収や福利厚生が一時的に下がる可能性がある

20代銀行員が転職する場合、年収や福利厚生が一時的に下がる可能性もある。

厚生労働省の令和6年雇用動向調査では、転職入職者のうち前職より賃金が増加した割合は、20〜24歳で50.5%、25〜29歳で46.3%だった。一方で、賃金が減少した割合も20〜24歳で16.8%、25〜29歳で29.2%ある。

つまり、20代の転職は年収アップの可能性がある一方、必ず収入が増えるわけではない。特に未経験職種へ転職する場合、最初は年収が下がることもある。

また、銀行は住宅手当、退職金、福利厚生、研修制度などが比較的整っている場合も多い。転職先の給与だけでなく、賞与、手当、退職金、残業代、勤務地、休日数、評価制度まで含めて比較することが大切だ。

20代の転職にはリスクも伴うが、それらは事前の準備で一定程度コントロールできる。特に「辞めたい理由」だけで動くとミスマッチを招きやすい。転職後の後悔を最小限に抑えるために、銀行からの転職で後悔を減らすための準備もあわせて確認しておきたい。

20代銀行員に多い転職先候補

20代銀行員の転職先は、金融業界内に限られない。銀行で得た知識や営業経験は、複数の業界で活かせる可能性がある。

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転職先候補活かせる銀行経験向いている人
証券会社・IFA金融商品、資産運用、富裕層・個人顧客対応顧客本位の資産運用提案に関わりたい人
保険会社・保険代理店ライフプラン、相続、資産形成、個人営業長期的な顧客関係を築きたい人
M&A・事業承継法人営業、財務分析、経営者対応法人向けの専門性を高めたい人
コンサルティング会社課題整理、財務分析、資料作成、提案論理的に課題解決をしたい人
不動産・住宅業界住宅ローン、資産背景の把握、営業経験高単価商材の提案営業に挑戦したい人
SaaS・IT営業法人営業、目標管理、顧客折衝成長業界で営業力を磨きたい人
事業会社の経理・財務会計、融資、財務諸表、資金繰りの知識専門職として安定的にキャリアを築きたい人

転職先を選ぶ際は、「銀行の経験をそのまま活かすのか」「未経験領域に挑戦するのか」を分けて考えると整理しやすい。

例えば、年収を維持しながら専門性を活かしたい場合は、金融関連職や法人向けサービスが候補になりやすい。一方で、働き方や業界の成長性を重視する場合は、IT営業や事業会社への転職も選択肢になる。

転職活動を円滑に進めるためのコツとは?

20代銀行員が転職活動の準備を進めるイメージ

20代銀行員の転職活動を円滑に進めるためには、次の3点を重視することが大切だ。

  • 銀行業務で得た強みを理解する
  • 長期のキャリアプランを形成する
  • 転職エージェントを含めて複数の情報源を活用する

それぞれ詳しく解説していこう。

銀行業務で得た強みを理解する

転職活動では、銀行業務で得た強みを理解することが大切だ。

20代の業務経験では、高度な専門知識や大きな実績を持っていないと感じるかもしれない。しかし、銀行での経験を細かく分解すると、他業界でも評価される強みは多い。

  • 顧客とのコミュニケーション能力
  • 無形商材の営業経験
  • 顧客との折衝能力
  • 目標に対する責任感
  • 仕事を計画通り進める管理能力
  • 正確な事務処理能力
  • コンプライアンス意識
  • 自己啓発に取り組む力
  • 新しい環境に適応する力

さらに、担当業務ごとにアピールしやすい強みは異なる。

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銀行での経験転職活動でアピールしやすい強み
法人営業経営者対応、財務分析、融資提案、課題発見力
個人営業資産運用提案、保険提案、ライフプラン相談、関係構築力
窓口・事務正確性、顧客対応、事務処理、リスク管理
融資・審査財務諸表の理解、与信判断、資料作成、慎重な判断力
資産運用提案金融商品の知識、リスク説明、顧客ニーズの把握

転職活動を始める前には、これまでの銀行員生活を振り返り、自分の強みを職務経歴書や面接で伝えられる形にしておこう。

長期のキャリアプランを形成する

転職活動では、長期のキャリアプランを形成しておくことも大切だ。

特に20代の転職では、「もう今の会社で働くことがつらい」という気持ちから、転職先を急いで決めてしまうことがある。しかし、焦って転職先を選ぶと、転職後に「思っていた会社ではなかった」「銀行に残っていた方がよかった」と後悔する可能性がある。

転職先を探す前に、以下の項目を整理しておきたい。

  • 今後高めたい専門性は何か
  • 営業職を続けたいのか、管理部門や専門職へ移りたいのか
  • 年収、働き方、勤務地のどれを優先するのか
  • 顧客と長期的に向き合いたいのか、成果主義で収入を伸ばしたいのか
  • 将来的にマネジメントを目指すのか、専門職を目指すのか

「10年後、20年後になりたいビジネスパーソンとは何か」「自分が歩みたいキャリアプランとは何か」を考えることで、目先の不満だけに左右されにくくなる。

転職は、銀行から逃げるためだけではなく、自分のキャリアを選び直すための手段として考えたい。

転職エージェントを含めて複数の情報源を活用する

20代の転職活動では、転職エージェントを含めて複数の情報源を活用することも有効だ。

転職エージェントでは、求人情報の紹介だけでなく、スキルの棚卸し、職務経歴書の添削、面接対策、キャリアプランの相談を受けられることがある。

第三者からアドバイスを受けることで、自分では気づかなかった強みや、銀行経験を活かせる業界が見つかることもある。特に「新卒で銀行へ入行して、初めて転職活動を行う」という人は、転職市場の全体像を知るだけでも判断しやすくなるだろう。

ただし、転職エージェントの提案だけで転職先を決める必要はない。求人サイト、企業の採用ページ、口コミ、知人の話、業界に詳しい人への相談など、複数の情報を照らし合わせて判断することが大切だ。

銀行からの転職では、同じ金融業界でも、証券、保険、IFA、M&A、コンサル、事業会社など選択肢が広い。自分に合う求人を見極めるためにも、早い段階で情報収集を始めておこう。

転職エージェントを活用して情報収集を行おう

銀行からの転職について情報収集する20代のイメージ

本記事では、20代銀行員による転職のメリット・デメリットについて解説してきた。

20代での転職は、経験や専門性で不安を感じやすい一方、若さやポテンシャルを評価されやすい時期でもある。銀行員として身につけた顧客対応力、正確な事務処理、コンプライアンス意識、目標達成への責任感は、転職市場でも強みになり得る。

ただし、転職理由が曖昧なまま動くと、早期離職の懸念を持たれたり、転職後にミスマッチを感じたりする可能性がある。まずは、自分が銀行で何を得たのか、次の職場で何を実現したいのかを整理しよう。

本サイト「IFA転職」では、金融業界における転職活動をサポートしております。非公開の求人情報も多数保有しておりますので、銀行からの転職をお考えの方は、ぜひIFA転職へお気軽にご相談ください。

出典

厚生労働省「新規学卒就職者の離職状況(令和4年3月卒業者)を公表します」(公開日:2025年10月24日)
厚生労働省「令和6年雇用動向調査結果の概況」(公開日:2025年8月26日)
厚生労働省「若者への就職支援」
全国銀行協会「全国銀行の2025年度中間決算の状況(単体ベース)」(公開日:2025年12月26日)

この記事を書いた人

証券会社出身者のための専門エージェント「証券転職」を運営。 創業以来、100名以上の証券マンの転職を支援。SaaS、コンサル、M&A仲介などの「異業種」から、IFAやアセマネなどの「金融専門職」まで、証券経験を活かせるキャリアを幅広く提案。IFAコミュニティ「Club IFA」の運営も手掛け、金融・非金融双方のリアルな市場動向に精通している。

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