銀行は新卒の大量採用を行うイメージが強いかもしれないが、中には中途採用で人材を募集していることもある。銀行事務へ転職することには、「社会的な信頼が得られる」「給与が安定している」など様々なメリットがある。
そこで本記事では、銀行事務の業務内容や転職で求められるスキルについて解説していく。ぜひ転職活動を行う際の参考にしていただきたい。
銀行事務の業務内容
銀行事務は主に「テラー業務」、「後方事務」、「本部事務」の3種類に分けられる。それぞれ業務内容が異なるため、詳しく解説していこう。
テラー業務
「テラー」とは、銀行の窓口に立つ人のことである。銀行の顔となる立場であることから、銀行事務というとテラーを思い浮かべる人も多いだろう。
銀行の窓口には大きく分けて4つの種類があり、それぞれ次のような業務を担当している。
窓口の種類 | 担当業務 |
---|---|
ハイカウンター | ・預金口座の入出金 ・新規口座の開設 ・税金の支払い ・振り込み |
ローカウンター | ・相続手続き ・印鑑や通帳、カードの喪失・再発行手続き ・資産運用提案 ・住所や氏名などの変更手続き |
融資窓口 | ・ローン申し込み(住宅ローン、カーローンなど) ・ローンの変更手続き |
外為窓口 | ・外国通貨の両替 ・海外金融機関口座への送金 ・海外からの着金 |
テラーは「第一線」とも呼ばれ、直接顧客と接する業務である。迅速な事務処理が求められると同時に、本人確認など法令に基づいた手続きも必要となる。小さなミスも許されない仕事であるため、常に注意力を持って仕事に取り組むことが求められる。
後方事務
後方事務は、窓口で受け付けた業務のオペレーションを担っている。直接顧客と接することはないものの、窓口で待っている顧客の事務処理を請け負うため、迅速かつ正確な処理能力が必要な業務となる。
基本的に後方事務へ回ってくるオペレーションは、窓口では捌ききれない煩雑な事務や、ボリュームの多い事務となるため、慌てずに処理を進めることが求められるポジションである。
後方事務は、その他に電話応対や帳票の整備なども行っており、支店内の様々な業務を担う存在といえる。
本部事務
銀行事務は、支店ではなく本部の部署で働く場合もある。銀行の本部には、支店の事務を統括する部署や、顧客からの問い合わせを受けるカスタマーセンターなど様々な部署がある。細かい部署の区切りや業務内容などは銀行によって異なるが、主に次のような業務が挙げられる。
部署 | 業務内容 |
---|---|
事務センター | ・支店から集約された事務作業 ・口座振替事務 ・公金処理 ・手形・小切手交換 ・内国為替事務 |
融資事務 | ・オペレーション業務 ・申込書のチェック、保管作業 |
外為事務 | ・海外金融機関への仕向送金処理 ・海外金融機関からの被仕向送金処理 |
カスタマーセンター | ・顧客からの問い合わせ対応 |
本部には様々な部署があり、どの部署に配属されるかで業務内容が大きく異なる。しかし、どの部署でも正確な事務力や、ミスを見逃さない検証力が求められることは間違いない。
銀行事務は未経験でも可能?求められるスキルとは
銀行事務への転職は、未経験者でも受け入れているところがほとんどだ。銀行業務は専門用語や法令への理解が必須であるが、研修制度が整えられている銀行も多いため、未経験者でも安心してチャレンジできる。
また、銀行事務への転職では「顧客とのコミュニケーション」、「正確な事務職」、「自己啓発力」が求められる。それぞれ詳しく解説していこう。
顧客とのコミュニケーション能力
銀行事務では、顧客とのコミュニケーション能力が必要不可欠だ。特に、直接顧客と接するテラーは銀行の顔でもあることから、高い接客スキルが求められる。身だしなみについても行内規定で細かく取り決められており、自分の評判が銀行の評判にもつながることもある。
また、後方事務でも電話応対におけるコミュニケーション能力が必要とされる。対面での接客ではない分、正しい言葉遣いや接遇応対にはより注意しなければならない。銀行事務は通常の接客スキルに加えて、「銀行員として働いている」という自覚も求められる業務である。
正確な事務力
お金を取り扱う銀行事務では、正確な事務力が何よりも必要とされる。事務は全て手順が定められており、「まあ、この手順で良いだろう」と独断で判断することは許されない。
ささいなミスが大きな損失につながることもあるため、「決められた事務を丁寧にやりあげる」という正確さが求められる業務といえる。
自己啓発力
銀行事務では、自己啓発力も必要だ。銀行で取り扱う事務は法改正などに応じて適時見直されるため、その都度新しい手順を覚える必要がある。もちろん部署内で共有はあるものの、場合によっては自宅で手順書を読み込むといった努力も必要になるだろう。
また、銀行では資格の取得も励行されている。「銀行業務検定」や「ファイナンシャル・プランニング技能士」など金融関連の資格は積極的な取得が薦められているため、「土日も勉強漬け」ということも珍しくない。入行後に苦労しないためにも、普段から勉強する習慣を身につけておくことがおすすめだ。
銀行事務に転職するメリット
銀行事務に転職することには、次の3つのメリットが挙げられる。
・社会的な信頼が得られる
・給与が安定している
・福利厚生が整っている
それぞれ詳しく解説していこう。
社会的な信頼が得られる
銀行事務へ転職するメリットとして、社会的な信頼が得られることが挙げられる。社会インフラでもある銀行で働くことは、それだけで「銀行員ならちゃんとした人だろう」という信頼を得られることがある。
ただし、銀行員への社会的信頼は、裏返せば模範的な行動を求められることにもつながる。周囲から信頼された存在であることを自覚し、規律に沿った行動を心がける覚悟が必要といえる。
給与が安定している
給与が安定していることも銀行の魅力のひとつだ。長引く低金利環境によって銀行の収益状況は厳しいものがあるが、銀行は社会インフラの役割を担っていることから、すぐに破綻につながるような可能性は低いだろう。
安定した事業基盤の上で働けることは、従業員の心のゆとりにもつながる。仕事に安定性を求める人には、おすすめの職場である。
福利厚生が整っている
銀行は福利厚生が整っていることも魅力的である。福利厚生の具体的な規定は各銀行によって異なるが、制度休暇や退職金制度、奨励金制度、育児休暇制度、交通費の支給など、一般的な福利厚生は一通り備えられている可能性が高い。
近年の銀行業界では働き方の多様化にも力を入れているため、行員一人ひとりのライフスタイルをサポートしてくれる期待もある。
銀行事務への転職はエージェントを活用しよう
本記事では、銀行事務の業務内容や、転職するメリットについて解説してきた。銀行事務は正確な事務力や顧客とのコミュニケーション能力が求められる仕事であるが、金融業界での経験を重視されることはなく、未経験者でも転職が可能である。
ただし、銀行のような好条件での求人募集は非公開で取り扱われることが多い。銀行事務への転職を検討している人は、転職エージェントの利用を検討しよう。転職エージェントでは、非公開の求人情報を保有していることもあるため、より多くの情報を仕入れるためには転職エージェントを活用することがおすすめである。
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