銀行の経験を活かす転職先とは？成功のポイントを解説

2024年3月13日

アドバイザーナビ株式会社

銀行では融資業務や預金業務、渉外営業など多くの業務を経験する。銀行からの転職を成功させるためには、その経験を上手く活用することが大切だ。

本記事では、銀行での経験を活かす転職先や、転職活動を円滑に進めるためのポイントについて解説していく。

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銀行の経験を活かす転職先とは？

銀行で得た経験を活かせる転職先には、実は様々な業種・業界がある。同じ金融業界への転職であれば、銀行で得たスキルや知識をそのまま活かしやすいが、たとえ異業種への転職であっても、銀行での経験と親和性が高い業界もある。それぞれ詳しく解説していこう。

M&A仲介業者

経営者の高齢化や人材不足を受けて、近年どの業界もM&Aの件数が増加している。多くの法人顧客を抱える銀行にとって、M&Aの増加は積極的に関与していくべき動向だ。そのため、銀行でもM&Aの専門部署を設けているところがあり、法人営業でもM&Aのサポートが求められる。そのような銀行でのM&Aに関する経験を活かして、M&A業界に進むことも可能だ。

特に、M&Aの業務では企業の財務分析やリスク計測、顧客との折衝能力も求められる。異業種でありながら、銀行業務とも親和性が高いため、銀行の法人営業や本部でそれらのスキルを身につけている人は、M&A業界でも活躍できるだろう。

コンサルティング会社

法人営業や経営企画などの本部での業務経験は、コンサルティング会社への転職で活用が可能だ。顧客のニーズを引き出しながら、より良い法人へと成長するためのサポートを行うのは、法人営業の業務でも当然に行っていたことである。

また、コンサルティング業界では、法人を多角的にサポートすることが求められるため、各業界動向への見識や財務に関する知識、事業再生の手段など多くの知識が必要となる。これらの知識は銀行の法人営業でも必要とされるものであるため、銀行で培った知識や経験はコンサルティング業界でも大いに役立つといえる。

不動産会社

融資業務や法人営業で不動産融資に携わった経験がある人は、不動産業界への転職もひとつの選択肢である。不動産業界は全くの異業種であるものの、ローンや担保設定、金融商品など銀行業務で得た知識をそのまま活かせる特徴がある。金融用語も多く使われる業界であるため、金融業界からの転職であれば「用語が難しくてなかなか理解できない」という可能性も低いだろう。

また、不動産業界では事務の正確性も求められる。不動産業務で取り扱う契約書類は法的にも重要なものが多く、正確に作成する必要がある。銀行でも金銭が絡む契約書を多く取り扱うことから、正確に書類を作成することは新入行員の頃から徹底されてきただろう。そうした仕事に対する細かさや正確性は、他業界であっても十分活用可能だ。

外資系保険会社

個人営業で金融商品の提案・販売を行った経験がある人には、外資系保険会社への転職が考えられる。銀行で個人営業を担当する中で、「もっと専門性を高めたい」と感じることもあるだろう。銀行では預り資産営業に力を入れているものの、あくまでも本業ではない。「金融商品の販売だけに注力したい」と感じる人は、外資系保険会社への転職によって専門性を磨くことも検討してみよう。

特に、外資系保険会社では歩合制の報酬を採用しているところも多く、自分の頑張りが収入に反映されやすい。銀行では契約金額や契約件数が直接収入に反映されにくいため、「頑張りが報われない」と不満を感じることもあるかもしれない。その点、外資系保険会社では目に見えて自分の努力が還元されるため、仕事のやりがいにつながる魅力もある。

IFA

個人営業の経験がある人には、IFAへの転職もおすすめだ。IFAは「独立系ファイナンシャルアドバイザー」と呼ばれ、特定の金融機関に所属することなく金融商品の販売を行う職種である。

銀行で金融商品の販売を行う中で、「手数料ありきの営業になっている」「本当に顧客に必要な商品なのだろうか」とジレンマを感じたことがある人も多いだろう。半期ごとに大きな営業目標を課される銀行では、時に数字優先の提案・営業が行われることがある。

しかし、IFAは金融機関に所属していないことから、営業ノルマに縛られることはない。その顧客には必要のない商品だと判断すれば、「販売しない」という選択肢を取ることもできる。「顧客目線での営業がしたい」「ノルマに追われずに金融商品を販売したい」と感じる人は、IFAへの転職も検討してみよう。

銀行からの転職を成功させる3つのポイント

銀行の経験を活かして転職を成功させるためには、次の3つのポイントが重要になる。

・銀行の経験で得た強みを理解する

・転職先に求めるものを明確にする

・転職エージェントを活用する

それぞれ詳しく解説していこう。

銀行の経験で得た強みを理解する

まずは、銀行の経験で得た自分の強みを理解しておくことが大切だ。転職活動を円滑に進めるためには、「自分の優れている点」や「他人に負けない強み」をきちんと自覚しておく必要がある。

銀行の経験で得た強みは、担当した業務によっても異なるため、自分の職務経験を振り返ってよく考えてみよう。一般的には次のような強み・スキルが挙げられる。

担当業務	強み・スキル
融資業務	・ローンに関する知識・財務分析スキル・事務の正確性・期日の管理能力
預金業務	・事務の正確性・顧客とのコミュニケーション能力・仕事に対する責任感
法人営業	・営業スキル・顧客とのコミュニケーション能力・目標達成に対する責任感・管理能力・財務分析スキル・各業界動向への知識
個人営業	・営業スキル・顧客とのコミュニケーション能力・目標達成に対する責任感・管理能力・金融商品に対する知識・経済・金融市場に関する知識

転職先に求めるものを明確にする

転職活動では、転職先の企業に求めるものを明確にしておくことが大切だ。「早く転職したい」という気持ちから、何となく転職先を選んでしまうと、「思っていた企業と違った」「銀行の方がよかった」という後悔にもつながりかねない。

納得のいく転職先を選定するためにも、「ワークライフバランスの取れた企業に転職したい」「福利厚生が整っている企業がいい」など、自分が転職先に求めることをリストアップしておこう。

転職エージェントを活用する

銀行の経験を活かして転職するためには、転職エージェントを活用することもおすすめだ。転職エージェントでは、キャリアコンサルタントがキャリアプラン形成のサポートをしてくれるため、自分では気が付かないような強みを引き出してくれるメリットがある。

また、転職エージェントでは、その業界に応じた面接対策を行ってくれることも特徴だ。異業種への転職を検討している場合は、「業界の雰囲気が分からない」「面接では何を重視されるのだろうか」と不安を抱くこともあるだろう。その点、転職エージェントでは業界に精通したキャリアコンサルタントがアドバイスをしてくれるため、心強く転職活動を進められる。

さらに、転職エージェントは表に出ていない非公開の求人情報を保有していることもある。好条件の求人情報は公募されず非公開で募集されることが多いため、キャリアアップを望む人はぜひ転職エージェントの活用を検討しよう。