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【転職後】新しい保険証はいつもらえる?保険証を返却したあとの診療代は?2つの疑問について解説

健康保険証

転職の際にはさまざまな手続きを自分で行わなければならない。中でも、保険証の引継ぎに不安を抱く人は少なくない。

「今の会社を辞めたら保険証はどうなるんだろう」
「転職したらいつ保険証がもらえるの?」

だが心配は無用だ。保険証はどういった方法であっても誰でも手に入れることができる。

この記事を読めば、転職したあとに次の保険証がいつ手に入るかが分かる。それに加えて、会社を辞めたあと、ただちに転職しない場合の手続きについても紹介する。

退職時に保険証を返却したあと医療機関で診療を受けた場合、診療代はどうなるのかについても解説するので、保険証に関して不安のある人は参考にしてほしい。

目次

保険証なしで受診すると診療代の自己負担は10割

保険証は退職日までに会社へ返却しなければならない。返却後は手元に保険証がない期間が生じる。
この期間内に医療機関で何らかの診療を受けた場合、窓口で保険証の提示を求められても何も渡せない状態になる。

このため、手元に保険証がない状態では病院を受診できないと考える人もいるが、実際は受診できる。ただし、保険証を持っていると診療代の自己負担割合が3割で済むところが10割の自費診療扱いとなる。診療内容によっては高額な医療報酬を請求される可能性があるため注意が必要だ。

なお、新しい保険証が手元に届いたあと医療機関の窓口に提出すれば、保険証の発行元に確認の後、自己負担分以外を返金してもらえる。

ただし「返金手続きは診察代を立て替えた日から1ヶ月〜2ヶ月以内」など、医療機関によって期限を定めているケースがある。その際はかかりつけの医療機関に確認してほしい。

新しい保険証が届くのは転職してから約2週間後

退職後すぐに転職した場合は、転職先で保険証発行の手続きが行われる。会社によってさまざまだが、おおよそ2週間前後で新しい保険証が手元に届く。ただし扶養家族がいる場合、扶養家族の判定を行うためもう少し時間がかかることが多い。

保険証申請書類に不備があると保険証の発行が遅れるケースがあるので注意が必要だ。よく分からない点はそのままにせず、新しい会社の担当者に確認を取って不備の無いようしっかり記載しよう。

退職後すぐに就職しない場合の手続き3パターン

会社を辞めたあと、次の就職まで少しブランクがある人が保険証を手にするには以下の3つの方法がある。

  1. 前職の健康保険を任意継続する
  2. 国民健康保険へ加入する
  3. 扶養に入る

順番に解説する。

任意継続とは会社を辞めたあとでも保険を継続させられる手段

任意継続は、これまでの勤め先の保険証を、勤め先を辞めたあとも継続できる制度のことである。勤めていた会社の被保険者期間が2ヶ月以上あれば、最も長くて2年間にわたって継続できる。

任意継続の手続きを行なう期間は「仕事を辞めてから20日以内」が目安となる。仕事を辞めてから21日以上経ってしまうと、正当な理由がない限り申請できなくなるので注意が必要だ。

なお申請対象は会社ではなく、健康保険証に記されている保険者である。保険証を返す前にコピーを取っておけば、その後に手続きする際に役立つだろう。

現在は郵送でも受付してくれるところが多いため、退職日が決まったら保険証に記されている保険者に問い合わせて、どのように対応したらよいか確かめておくと安心だ。

なお、必要になるものは「健康保険任意継続被保険者資格申請書」と1ヶ月〜2ヶ月分の保険料(ただし退職日による)の2つ。
こちらの申請書の取り扱いは、申請先HPからダウンロード可能なもの・申請先へ出向いた時に入手するものなどがあり申請先によって変わってくる。心配な場合は申請先に確認しておこう。

国民健康保険の加入方法

任意継続が出来なかった人は、国民健康保険への加入となる。日本には「国民皆保険制度」があるため、いずれかの保険に入らなければならない。

  • 会社に入って保険証の発行を受けた人
  • 任意継続を選んだ人
  • 扶養に入っている人

上記の3パターン以外は、全て国民健康保険の加入者となる。

国民健康保険に加入するためには「14日以内」が目安である。ただし任意継続とは違い、会社を辞めて15日以上経ってしまっても加入申請は可能だ。

手続きの際は以下のいずれかの書類が必要になる。

  • 雇用保険の離職票の写し
  • 健康保険資格喪失証明書
  • 退職証明など

手続き先は、住んでいる市区町村の役所になるため自宅に近い場所が保険者となる。国民健康保険には扶養の制度がなく、勤め先の保険証で扶養に入っていた家族ももれなく国民健康保険加入となり支払いも追加される。

なお、国民健康保険加入申請に14日を過ぎてしまった場合でも、会社を辞めた日の翌日まで遡って保険料を支払えば加入することができる。その際、それなりの保険料になることが多いため、資金には余裕をもたせて用意しておくことが望ましい。

扶養に入る方法

家族の中に、勤め先の保険証を持っている人が居るなら、その扶養に入ることも検討すると良いだろう。

  • 健康保険加入者からみて3親等以内の親族※1
  • 健康保険加入者と同居している※2
  • 年収130万円未満
  • 家族の年収の1/2未満
  • 1:3親等:配偶者、子、孫、兄弟姉妹、直系尊属
  • 2:別居している場合、年収130万円未満で、家族の援助による収入額より少ない

扶養に入る場合は健康保険組合による審査が行われる。会社を辞めることが確定したら事前準備として、家族の勤務先に扶養家族を増やしたい旨を伝えておくとよりスムーズに加入できるだろう。

扶養に入ることで健康保険料の負担が無くなる上、所得税も配偶者控除等で安くなるなどのメリットがある。一方で「年収130万円の壁」や出産手当金がないなどデメリットもあるため、扶養に入るかどうか、扶養主とよく相談して決めることをすすめる。

正しい知識を得よう

日本は国民皆保険制度という、全ての国民が医療を受けられる仕組みがあるため、会社を辞めた人でも保険証を手にすることができる。

保険証が手元にない状態で医療機関を受診した際は、いったん自費で診療代を立て替え払いする。後日、手元に届いた新しい保険証を、受診した医療機関の窓口に提出し、確認が取れれば自己負担分を差し引いた金額が返金される。

正しい知識を得ることで、会社を辞めて無保険の状態になっても不安や焦りにかられることは無くなる。この記事を参考に、安心して保険証の発行手続きを行なってほしい。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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