履歴書は、希望する企業への第一関門である。正しい内容を記載しなければ、書類選考で落とされる可能性も高い。
特に転職者は社会人経験があるとみなされるため、最低限の作成能力があるのかを判断されるだろう。また作成して提出するまでのマナーも存在するが、履歴書をそれほど多く作成する機会も少ないため、分からない方も多いのではないだろうか。
本記事では、履歴書の書き方を誰でもわかるように解説する。重ねてマナーも紹介するため、ぜひ参考にしてほしい。
基本事項の書き方
基本事項は大きく分けて以下の3つに分けられる。それぞれの記入方法について解説する。
日付・氏名・住所など
- 日付
作成した日付を記載する際、西暦でも和暦のどちらでも問題ないが、経歴の年号と統一してほしい。バラバラに作成すると見にくい履歴書となる。また和暦に関しては「令和=R」など、元号を省略しないことも大切だ。
- 氏名
姓と名の間にスペースを設ける必要がある。どこまでが苗字か分からなくならないようにするためだ。
また、ふりがなも「ひらがな」か「カタカナ」であるか確認して記入する。
- 住所
都道府県から記入することが好ましい。市町村から記入すると、何県の方であるかわからなくなるためである。
面接官が同じ県出身であれば会話も弾む要因となる。
学歴・職歴の書き方
- 学歴
学歴は決して省略せず、専攻学科まで記入する。
「〇〇大学〇〇学部〇〇学科」。先ほどもお伝えした通り、和暦に関しては英語などに省略しないように注意してほしい。
面接官が同じ大学出身や、専攻していた分野が同じだったということもあり、共通点が見つかる可能性もあるため、正式名称で記載するようにしてほしい。
- 職歴
入社した企業の正式名称と所属した部署を記載する。昇進して役職が就いていた場合は記載しておくとアピールポイントとなる。
免許・資格欄の書き方
所有している資格は、面接している企業に関連するものから記入した方が、面接官の目に留まりやすい。
「〇〇免許 合格」「〇〇資格 取得」など分かりやすく記載する。
アピールポイントとなる項目の書き方
これから紹介する3項目は、企業へアピールするポイントとなる。ここでは記入方法と注意点を解説する。
志望動機
志望動機で伝えることは2つある。
- なぜこの業界を選んだのか
前職から異なる業界に転職した際、必ず聞かれる質問であるため、志望動機に記入していても良いだろう。
ただし、記入する際は、単純な理由ではなく、誰でもわかる動機を記載しなければいけない。
例えば、建築営業へ転職を試みる場合では、以下の2文では後者の方が良いだろう。
- 営業職をやってみたかった
- 自身の商談力を活かせるうえ、形として残せるものを売りたかった
さらに「形として残せるものを売りたい理由」も伝えられるとベストな回答となる。
「過去に大地震を体験し、数多くの建物が倒壊した。自分もその一人。倒壊しない家を提供したいと思った」自分の実体験から生まれた志望動機であれば、業界を選んだ理由がわかりやすく、面接官も納得できる。
- なぜこの会社を選んだのか
どの業界でも競合他社は多数あるため、「なぜこの会社を選んだのか」は必ず聞かれるはずだ。
他にはない企業の強みや自分の考えとリンクする経営理念などをまとめ、志望動機には簡潔に理由を記入し、面接時で答えられるように準備してほしい。
自己PR欄
自己PRでは「自分が企業にもたらすメリット」や「仕事への熱意」を記載する。
前職で備わってきた経験や保有しているスキルで企業で活躍できることを記載してほしい。また企業に入社したいという熱意も自己PRの一つとなる。簡潔にわかりやすく記載することが大切だ。
趣味・特技
本当に好きな趣味を記載しても良いが、世間一般的に好ましくないとされているジャンルは控えるようにする必要がある。
例えばパチンコなどのギャンブルは、万人受けする趣味ではないだろう。とはいえ無趣味というのもイメージ的には良くはない。趣味はその人の人間性にも繋がるため、具体的に分かりやすく記載する必要がある。
例えば先ほどの例のように建築営業に転職する場合、「旅行が趣味で歴史的建造物を見るのが好き」という答えであれば、仕事内容と精通している部分もある。そのため、面接を受ける企業に関連する趣味や特技がある場合は積極的に記載しよう。
特に関連性がない場合、なぜそれが趣味なのかをしっかり答えられるように準備していてほしい。
作成時のマナー
最後に、履歴書を作成する際と提出する際のマナーについて紹介する。
誰しもが理解しておかなければいけない内容であるため、しっかり確認していてほしい。
証明写真について
証明写真を取る際の服装は、スーツなどが一般的である。私服で出社する企業であっても、スーツが好ましい。
また、白Yシャツや白インナーなどで清潔感ある格好であることが大切だ。髪も女性ならまとめ、男性であれば整えるようにし、顔がはっきり写るように撮る。
作成方法のマナー
手書きで作成する場合。使用するペンは「黒のボールペン」か「万年筆」を用いて作成する。
消えるボールペンなどもあるが、履歴書を郵送している間に摩擦で文字が消えてしまう可能性も高い。そのため必ず記入した内容が残るペンで作成してほしい。
また作成途中で間違えた場合は、二重線や修正テープなどを使用するのではなく、一から作成するようにしよう。
郵送のマナー
履歴書は事前に郵送やPDFでメールすることが多い。郵送の場合は送付状を付け、クリアファイルに入れて送る。
PDFで送る場合は、ファイル名をしっかり変えてから送るのがマナーである。ただ送るだけにすると、「作業をてきとうに行う人」と捉えられる可能性も高いため、丁寧に行ってほしい。
まとめ
今回は、履歴書の書き方とマナーについて解説してきた。
主に基本事項とアピールするポイントを記載するが、年号の記入方法などを統一したうえで、シンプルに作成しなければいけない。履歴書いっぱいに記載してしまうと、見る側にとっても面倒と感じる方も多いため、簡潔に作成するように心がけてほしい。
また、作成時は本記事で紹介した3つのマナーを守る必要がある。企業側に失礼のないようにするだけでなく、社会人として当たり前の内容であるため、徹底して作成するようにしてほしい。