現在、会社に勤めてはいるものの、収入や福利厚生などの待遇に不満があり転職を考えている人は多いのではないだろうか。
他にも、上司からパワハラ受けていたり、満員電車での通勤が苦痛であったりと今の職場環境を変えたくなる理由に枚挙の暇がないのが現代の社会である。
今回は、転職について学ぶのに適した書籍を厳選して紹介する。ぜひ記事を参考にして、書籍選びに役立てて欲しい。
転職を検討中の人が読むべき3冊
まだ実際に転職活動をしていないまでも、ゆくゆくは転職することを考えている人におすすめの書籍を紹介する。
知識や情報を仕入れ、転職について具体的なイメージを持つことで、将来のプランニングにきっと役立つはずだ。
このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法
タイトルにある通り「このまま今の会社にいていいのか」と感じている人に向けて書かれている。20万部突破の「転職本の定番」とも称されるベストセラーであることから、まずは手に取るべき一冊といえよう。
内容が理解しやすいように、転職の考え方が物語形式で解説されている点が特徴だ。会社が潰れても「生きていける大人」と「 生きていけない大人」両者をわけるのは何か・自分の市場価値の測り方や高め方・会社を辞めるべきタイミングや中途で入社するべき会社と新卒で入るべき会社の見極め方など網羅的に知ることができる。
「転職に必要なのは情報そのものではなく、その情報を判断するための思考法」というテーマは、後悔せずに心から納得のいく仕事を見つける方法を知るヒントになるだろう。
転職と副業のかけ算 生涯年収を最大化する生き方
転職による収入アップと、自ら運営するサイトの収益で年収5000万円を達成した“転職のカリスマ”のペンによる一冊。地方のホームセンターのレジ打ちから4度の転職を経て本業のみで年収1000万円を達成した著者の言葉には説得力がある。
年収の大幅UPを実現する著者独自のメソッド「軸ずらし転職」や、転職を重ねてキャリアアップしていくための「次の次の会社」を見据える思考法は、これから転職を考えている人のモチベーションを刺激してくれる。また、転職エージェントの活用術や面接のコツなどの実践的な解説は今後実際に転職活動を開始する際にも役立つだろう。
終身雇用が当たり前でなくなりつつある今、これからの会社員は『キャリアを自分で取りにいく』アグレッシブな姿勢が問われることを教えてくれる。現在の自分のキャリアに悩む転職志望者なら一読の価値がある良書。
LIFE SHIFT
転職にフォーカスしてはいないが、今後到来する長寿社会を生きていくうえで知っておくべきビジョンを伝えてくれる「100歳時代の戦略的人生設計書」。
誰もが長寿という恩恵を受けることが予想される時代においては、従来の「教育・仕事・引退」の人生設計モデルは崩壊する。今後の十数年の間にAIがさまざまな分野で活用され、既存の労働市場の職種も大きく入れ替わるだろう。就職・結婚・子育て・老後の生活など、数十年単位での徹底したライフプランニングが生きていくうえで不可欠となることを示唆し、仮に自分が100歳になったとき、いまの自分をどう見るかを未来の視点から考察する必要性を説く。
長生きすることを前提に、転職を含めたこれからの生き方を考える人へ、人生の羅針盤となり得る一冊だ。
転職活動中の人が読むべき3冊
今まさに転職活動を行っている人が読んでおくべき書籍を紹介する。
採用されやすい応募文の書き方や、面接での自己プレゼンの方法を取り入れることで選考に通る確率を上げられるだろう。また、既にオファーを受けている会社について思慮を巡らす際にも大いに参考になると思う。
さあ、才能(じぶん)に目覚めよう ストレングス・ファインダー
ライバルに打ち勝ち、より良い転職を成し得るには、スキルはもちろん自分の資質の強みを知ることが重要である。自分の強みを具体的に把握できれば、面接など自己プレゼンの際にも大きな力となる。
本書は読者の持つ強み=ストレングスを、WEB上に用意された資質に関する数々の質問に回答することで明確な言葉として教えてくれる。強みは、運命思考・回復志向・学習欲・活発性・共感性・競争性・規律性などの34の資質と行動アイデアに分けられており、それぞれの定義に加え、その資質の活かし方が例を交えて紹介されていく。
本書で導き出された自分の強みは、転職した先の人生の指針を決める上でも有用となるだろう。
伝え方が9割
転職で避けられない面接の場で、なぜその会社を選んだのかという動機や、アピールしたい自分のスキルや実績など、伝えるべきことをうまく伝えることができずに悩む人は多い。本書の著者もそんな人の一人であったが「伝え方」には技術があることを発見し、その技術を学ぶことで世界的な広告クリエーターとなった。その技術を後続に伝えるために体系的にまとめた一冊である。
「強いコトバ」をつくる5つの技術など、誰も鍛える術を持たない正しい「伝え方」を知ることで、就職・昇進そして転職においても結果は劇的に好転し得ると、実例と共に教えてくれる。転職活動がなかなかうまく進まずに悩む諸氏には、ぜひ本書を一読することを薦めたい。
1分で話せ
面接でのスピーチで自分を簡潔かつ効果的にプレゼンするスキルの必要性を痛感している人に読んで欲しい書籍である。
「1分で話せないような話は、どんなに長くても伝わらない」というテーマのもと、話が長いのは内容がまとまっていない証拠でもあり相手に伝わらない一番の原因だと本書は断じる。そのうえで、相手から見て自分がどう映っていて、どんな話をしてほしいのかを感じながら俯瞰的に言うべきことを決めていくことの大切さを説く。
また、伝えようとすることの結論と根拠のセットを「ピラミッド式」に構築するロジック、論理的な話し方やプレゼンのハウツー本だけではつかめない伝え方の「型」をはじめ「結論の決め方」「言い切れない」というメンタル面に至るまで、誰でも再現可能な方法を紹介。転職活動のみならず今後キャリアを積み上げていく上でも助けになるであろう知恵が詰まった一冊だ。
転職活動はノーリスクだが予備知識は必要
いわゆる「団塊の世代」全員が後期高齢者となりつつある今、終身雇用や年功序列などかつて日本を支えてきた雇用制度は転換期を迎えており、同じ会社で働き続けても昇給が見込めなかったり退職勧奨を受けたりするリスクも高まるばかりである。
在職中に転職活動をするのは個人の自由であり、こうむるリスクはゼロと言ってもよい。今すぐ転職は考えていないとしても、いつか転職を決意する時のために備えておくのは決して悪手ではない。しかし漠然と求人情報を眺めているだけでは、本当に自分が求めている仕事を見つけられるかどうかは甚だ怪しいところである。
転職という未知なる一歩を踏み出すのなら、予備知識が不可欠だ。そして予備知識を得るためには、先人に学ぶと良い。そのための最も手軽で効率的な手段が読書と言えよう。
収入など待遇改善を狙うなら転職がおすすめ
給与のアップや福利厚生の向上、通勤時間の短縮など諸所の待遇を改善したいのなら転職が最適解である。
記事の冒頭でも述べた通り、これからは終身雇用や年功序列の制度の維持ができなくなる企業が増えこそすれ減少することはないだろう。もはや従来の雇用制度は崩壊の一途を辿っていると言って過言ではない。
かつての高度経済成長期のように、新卒で入社した会社に定年まで働き続けても満足な収入を得られる見込みは残念ながら限りなく低いと言えよう。
副業という手もあるが、限られたリソースでは本業と両立できずに疲弊してしまい“共倒れ”する恐れは否定できない。かといって、独立して起業するのはリスクが高すぎる。現状に不満があるのであれば、積極的に転職活動に取り組むことをおすすめする。