株式会社Japan Asset Management-代表取締役 堀江智生氏
「日本一の金融機関を目指して人材育成に注力」
株式会社Japan Asset Managementは2018年に創業して以来、わずか2年半でお客様からの預かり資産が190億円を超えました。まさに今、成長の真只中にあるIFA会社です。
将来の夢は日本一の金融機関になること。経験者だけでなく新卒も積極採用するユニークな人材採用も含めて、今後の展開について代表取締役の堀江智生さんに話を伺いました。
株式会社Japan Asset Managementの設立経緯から教えて下さい
お客様にとって理想の金融機関を作りたいと思ったことがきっかけです。前職の証券会社では、基本的に有価証券がメインの商材ですから、お客様がアドバイザーに対して求めているすべてのニーズに対応し切れないケースがありました。
一方、会社から派遣してもらった米国や香港では、現地のIFAがお客様に総合的な金融サービスを提供しながら業容を拡大しているケースが多く、そのダイナミズムを間近で感じることができました。日本でもお客様の幅広いニーズにお応えするにはIFAしかないという考えに到り、2018年にこの会社を立ち上げました。
株式会社Japan Asset Managementの由来を教えて下さい。
海外だと社名を頭文字で略したりしますよね。そういう会社名が良いと思ったのです。たとえば弊社ですと「JAM」ですね。社名にJapanを冠したのは日本を代表する金融機関にしようと思っているからです。
総合的な金融サービスを提供するということですが、具体的にどのようなサービスを揃えていらっしゃるのですか。
弊社がライセンスを得て行っている業務はIFAと保険代理店、不動産仲介業の3つです。
それ以外にも外部の専門家たちと協業しながら、M&A仲介、海外不動産、タックスプランニング、航空機リースなどさまざまなサービスを提供しております。目指しているのは資産運用のワンストップサービスをご提供することです。
IFA会社としては珍しい新卒採用をされています。その狙いは何ですか。
私はこの会社をもっと大きく成長させたいと考えています。それには人材が大切であることは言うまでもありません。今、ほぼすべてのIFA会社は中途採用でIFAを募っています。 もちろんその方が即戦力になるといったメリットはあるのですが、どうしても前職のときの働き方や考え方が制約となってしまうケースが多く見受けられます。
同じように人を育成するならば、時間が掛かったとしても、新卒採用の方が理念や知識などを効率的に浸透させられるのではないかと考えました。
この業界を今後大きくしていくためには、5年後、10年後に弊社やIFA業界全体をリードしていく人材が必要ですから、優秀な人材を長期的に育成することが業界の中長期的な成長に資すると考えたことも、新卒採用に踏み切った理由のひとつです。
なぜIFAになろうと思ったのですか。
日本の金融業界は、さまざまな産業があるなかで最も遅れている業界の一つだと常々考えています。また異業種比較だけでなく、海外の金融業界と比べても立ち遅れてしまっています。
相変わらず手数料至上主義がまかり通り、お客様にとって不利な金融商品を買わされているケースも少なくありません。こうした国内金融業界の悪しき商習慣を是正したいと思うようになったところから、IFAになるという意識が強まったと思います。
IFAになる前となった後で、何かイメージが変わったことはありますか。
IFA業界自体が、思った以上に玉石混交になっていることに驚きました。昨今、証券会社ではコンプライアンス体制について非常に厳しく監視されるケースが増えていますが、IFA会社のコンプライアンス体制は基本的に各社任せになっています。
その結果、IFAのなかには手数料を稼げればよいなどと短絡的な考え方をするようになり、お客様をどこかに置き去りにしてしまうような人もいます。これではIFAに対する世間の見方は、いつまで経っても良くなりません。だからこそ、IFAひとり一人のレベルを底上げする必要があります。
弊社はいずれ日本一の金融機関になりたいと思っています。現状、日本一の金融機関といえば、規模的にはゆうちょ銀行が真っ先に浮かんできますが、その貯金総額が約200兆円です。果てしなく遠い目標ではありますが、IFA業界全体のレベルを底上げしていけば、決して実現不可能な数字ではないと考えています。
IFAに求める人物像はいかがですか。
まずは信念が強い人ですね。こういう社会を創りたい、こういう自分になりたいという想いを強く持って、それに向かって努力できるような人が、望ましいと思います。 私は、今活躍しているIFAと、10年後に活躍できるIFAは違うと思います。恐らくその頃にはリテール金融の分野にもAIが広く浸透し、お客様がアドバイザーに求めるものも変わってくるでしょう。
その時、人としてどのような付加価値を提供できるかが問われるのではないでしょうか。 形の決まった営業トークやプロダクトプッシュは一切通用しなくなるでしょう。対して、お客様のファイナンシャル・ゴールに落とし込めるヒアリング能力や、説得力のあるストーリーテリング能力、臨機応変なコミュニケーション能力は、人間だからこそ提供できる付加価値として生き続けると思います。
そういう時代に生き残れるIFAになれるための不断の努力をできる人が、10年後にも活躍できるのだと思います。