株式会社FAMORE 代表取締役 武田拓也氏 TOPインタビュー
IFA法人の代表の方に弊社転職希望者からよくご質問をいただく内容をインタビュー形式でお伺いし、まとめました。今回は株式会社FAMORE代表取締役の武田拓也様です。
介護職として有料老人ホームの管理者からキャリアをスタートさせ、その後AIGエジソン生命(現:ジブラルタ生命)へ転職をされ、現在はIFA法人の株式会社FAMOREを創業されIFAとしてご活躍されています。その代表である武田社長にIFA転職希望者の方からよく上がる質問などをもとに、IFA業界のビジョンや考え方についてお伺いいたしました。
武田様のキャリアと御社を設立した経緯を教えてください。
私は大学を卒業した後、有料老人ホームの介護職としてキャリアをスタートしました。そこで管理職も経験した後に、AIGエジソン生命(現:ジブラルタ生命)に転職。2年半ほど保険の営業を行い、独立をして現在の株式会社FAMOREを創業いたしました。
弊社では、ライフプランの設計と保険の見直しのご提案を中心に、お客様のニーズがあれば資産運用についてご提案しています。
介護職からキャリアをスタートしてからIFA法人の設立という稀な経歴かと思いますが、なぜご転職されたのでしょうか。
有料老人ホームに入社後、管理職になることを目標に頑張っていて、5年目の時に管理者になることができました。
しかし、当時それまでのキャリアを振り返ってみると、介護職としての給与は少なく、有料老人ホームの管理者をしながら「私は将来、この老人ホームに入ることができるのか?」という不安を感じました。それと同様に、入居希望者の方からご相談をいただくものの費用の話をすると「もう少し考えてみます」と半分断りのような反応をいただくことが多くありました。
そこで、私個人的にもご相談者の方々にも共通して「お金」は人生において重要な要素であることに気づきました。 そこから、私も老後の資産運用について勉強する必要があると思い、金融機関への転職を決断しました。当時、証券会社や銀行の中途採用は条件として「経験者」というのが一般的で、どうにか金融に関わる仕事がしたいという思いでAIGエジソン生命(現:ジブラルタ生命)に転職をしました。
はじめは保険の営業として金融業界に飛び込まれたのですね。そこからなぜ金融商品仲介を行うことになったのでしょうか。
保険会社では、表彰を受けてハワイの研修に参加させていただき、給与も上がったのですが、自信を持ってお客様のための提案になっているかどうか疑問を抱いていました。会社の収益優先で、手数料の高い商品を提案し買っていただくことや短期間でいくつもの保険商品を追加購入していただくということもありました。お客様の「お金」の相談に乗り、将来の資産形成のためになる仕事がしたいと思っていたのですが、現実は会社や自分のための提案になってしまっていました。
そうしている内に、AIGエジソン生命がジブラルタ生命に買収されました。そのタイミングで、在籍していたAIGエジソン生命とジブラルタ生命の2社の商品を取り扱うことができたのですが、1社専属で提案していたよりも商品性が良い保険商品を比較検討して提案ができることに魅力を感じ、29歳の時に保険の代理店として独立を決めました。
保険代理店として独立をした後、ご縁があってエース証券さんの金融商品仲介業事業の担当者様とお会いし、今後は保険だけでなく株式や投資信託、債券など幅広いニーズに対応できなければと思い仲介業の登録をしたのがきっかけです。一昨年、エース証券さんが東海東京証券さんに吸収合併されることになり、弊社も法人を設立したタイミングでアイザワ証券さんからご連絡をいただき、現在はアイザワ証券さんをメイン証券会社としてヘッジファンドを取り扱えるエアーズシー証券さんの2社と提携しております。
株式会社FAMOREの社名の由来を教えてください。
「FAMORE」というのは完全に造語ですが、これまでの介護職と金融の経験から「家族(FAmily)」が健やかで、「お金(MOney)」に余裕があり、より「幸福(welfaRE)」になれるようにという想いを込めて「株式会社FAMORE」と名付けました。
株式会社FAMOREの強みや特徴、他社との差別化など教えてください。
弊社は保険代理店として広く保険の商品を取り揃えていることと、運用のご提案はアイザワ証券さんとエアーズシー証券さん、不動産に関しても投資用と実需の住居用も幅広くご提案が可能です。また、従業員でCFPを取得した相続に詳しい者がいるので、お金の悩みに対してワンストップかつトータルでサポートできることが強みです。
また、私自身も介護関係に勤めていたので相続については成年後見人もやった経験があります。資産運用については20代の頃から自分で有価証券運用、不動産投資をしていたのでその経験と知識を生かしてお客様にご提案しています。私自身、保険営業以外は有価証券の営業をしたことがないですから、投資家目線で実体験に基づいたご提案を可能としています。
ターゲットとしているお客様や現在のお預かり資産など教えてください。
現状お付き合いいただいている方は30代〜50代の会社員の方が中心です。金融商品仲介については、昨年にアイザワ証券さんとの提携ができたばかりでまだ1年経っていないので、口座数としては十数件、一人当たりのお預かり資産は1,000万円前後になります。
ある程度まとまったご資金がある方には弊社で証券口座を開設していただいていますが、つみたてNISAや少額での投資をご希望されている方には弊社でお手数料いただくと勿体無いので無償でネット証券のご案内や投資ノウハウなどをお伝えしています。
私自身、20代の頃からネット証券で資産運用をしていますが、手数料が安いことと若い方にとっては手軽でわかりやすいと思っているので弊社で知識を付けていただきご自身で運用できるようサポートさせていただいております。
お客様との接点はどうやって作り、新規開拓されていますか?
新規開拓については大きく分けて3つです。
一つ目は毎月10本前後開催しているセミナーです。一般的なマネーセミナーを中心に資産運用の必要性や相続に関するセミナーを行い、参加していただいた方からの個別相談で新規契約していただいています。
二つ目は提携会社や繋がりのある団体とのタイアップイベントでご参加いただいた方々です。提携会社や団体だと資産運用のご提案ができないためご紹介をいただくこともありますし、イベントを通じて仲良くなった方々が相続でまとまった資金のある方など資産運用や相続のニーズがあるお客様も多く、新規契約に至っています。
三つ目が、お客様からのご紹介です。保険会社に転職をしてから10年以上金融に携わっているので、お客様からご紹介をいただくことがあります。公務員の方や幅広いネットワークを持っている方、ご家族をご紹介いただくことも多いです。
保険会社時代と現在の金融商品を含めたIFA活動を比較して変わったことはありますか?
保険の営業をやっていた頃は、会社のためにも自分のためにも高い保険を売ることが最優先で、余力があったら保険の提案ばかりしていましたが、有価証券を取り扱うようになってから保険商品は最低限で、お客様が保有している保険証券が必要かどうか吟味して、必要がなければ解約のご案内をしています。
解約した余剰資金でお客様のニーズがあれば、資産運用のご提案を行っております。結果的に無理なくお客様が必要としている提案のみできるようになったと思います。
株式会社FAMOREが目指していることはなんですか?
今は少人数でお客様の方を向いて営業ができていて、お客様にも非常に喜んでいただいています。この点は継続して、お客様のためになることはなんでも対応をしていく必要があると思っています。必要な情報を必要としている方向けに発信して、運用に困っている方がいらっしゃればご提案を差し上げます。この精度は、引き続き上げていきたいと思っています。したがって、大規模な人員採用や拡大は考えておりません。もちろん、弊社の方針に共感していただいた方がいれば採用を考えますが、今お付き合いいただいている方を第一に考えて活動していこうと考えています。
以前、お客様としてご相談いただいた方が金融にご興味を持ち、ご自身は元々金融とは全く関係ない業界にいらっしゃったのですが、話していく内にIFAになりたいということで東海東京証券さんをご紹介し、金融商品仲介業の登録方法をお伝えして自分で独立したという事例がありました。
お客様の叶えたい夢を応援するのが私の仕事ですから、お客様がIFAとして独立したいという要望があればご支援させていただきます。
今のIFA業界をどのように見ていらっしゃいますか?
世の中的にまだまだIFAの認知が低いことは課題だと思っています。証券会社との違いやFPとの違いを認識されている人が少ないですよね。
もし、この認知が高まっていけば投資家が受けられるサービスの選択肢も増えますし、それこそ金融機関で転職を考えている人がIFAを選択肢に入れるかもしれません。ここ数年はIFAの人数が増えてきていますが、もっともっと人が増えてほしいと思います。
もちろん長期的には増えたIFAは徐々に精査されていくと思いますが、よりお客様の方を向いて良い提案ができるアドバイザーが増えていくことを望んでいます。
「よりお客様の方を向いて良い提案ができる方」はどんな方なのでしょうか?
商品知識だけでなく周辺ビジネスの知識を蓄積することは当然だと思います。また、最新情報をお客様にお届けすることが重要ですが、やはり自分で体験してみるということも大切だと思います。
私自身、自分の運用経験や成年後見人として経験、相続など良いところも悪いところも経験しているからこそお客様にお伝えできることがあります。
理論上の提案だけでなく、自分自身で体験したこともお伝えすることで、アドバイザーはお客様をより一層リアルに想像でき、真にお客様目線とは何かを感じることができるのではないでしょうか。
最後に転職を考えられている方にメッセージをお願いします。
IFAは文字通り、証券会社から独立した立場で証券だけでなく保険、不動産、相続などお客様のあらゆるニーズに対応できます。私自身、保険会社では会社や自分のためで顧客本位からかけ離れた提案に悶々としていました。現在、金融機関で同様の感情を抱いている方は思い切って飛び込んでいただければと思います。はじめは成果が出なくともお客様のことを考えてできることやより深い関係をお客様と築ける経験は、特定の金融機関に所属していたら難しいと思います。
社会的にも「貯蓄から投資」と言われて長いですが、より一層加速していくことが予想されます。もし、迷っているのであれば挑戦してみていただければと思います。