ファイナンシャルスタンダード株式会社-代表取締役 福田猛氏
「長期的かつ包括的な資産運用アドバイスを提供する」
大和証券出身の福田社長が立ち上げられ、約3400件の取引口座、630億円以上のお預かり資産を有する同社。
顧客満足度の秘訣や、創業の話を同社代表の福田氏にお伺いした。
会社の歴史や特徴
創業の経緯から教えていただけますか。
証券会社に勤めていた時、自宅を購入しました。その時、ローンを組んだ金融機関からファイナンシャルプランナーを紹介しましょうかと言われました。
私もファイナンシャルプランナー資格を持っているのですが、何か実戦で使ったかというとその経験も無かったので、実際にどういうことをするのか興味深く、お願いすることにしました。
ご面談をして頂いた方が、まず保険の見直しをしてくれたのです。これがなかなか良いプランだったので、感心していろいろ話を聞いてみると、保険だけでなく証券も扱っていると言うのです。「それ何?」と思って詳しく聞いたら、金融商品仲介業の会社だと。
それで社長に会わせて欲しいとお願いして、社長からさらに話を伺い、IFAは何と素晴らしいビジネスなのだと興味を持ち、すぐに勤めていた証券会社に辞表を提出して、金融商品仲介業の会社を立ち上げました。
IFAのどういう点が素晴らしいと思ったのですか。
証券ビジネスのコストを大きく下げられることです。証券会社の運営コストは非常に高いので、どうしてもそのコストを賄うために、無理な回転売買をしてしまいがちです。当然、それはお客様のためになりません。
でも、証券会社がプラットフォーマーとしてミドルバックを担い、IFAがフロントを担当するように分業すれば、証券ビジネスのコスト構造は大きく変わりますし、それによってお客様に新しい価値を提供できるようになります。そのスタンダードになりたいという気持ちから会社名をファイナンシャルスタンダードにして、現在に至っているというわけです。
福田さんが紹介されたファイナンシャルプランナーのアドバイスの何が刺さったのですか。
いいとこ取りをしてくれたところです。保険代理店ですから、さまざまな保険会社の商品を扱っていますよね。そのなかから私に一番合うと思われる複数の保険商品をピックアップして組み合わせてくれたのです。
金融商品も自社で組成しているものばかりを売りつけるのではなく、お客様のニーズに合ったものを自由に選らび、組み合わせられれば、もっと良い提案が出来ると思ったのですが、まさにそれを実現してくれるのがIFAのビジネスモデルだったわけです。
御社の強みは何ですか。
弊社はゴールベースアプローチによる長期の資産運用アドバイスを軸にして、包括的な相談に応じています。当然のことですが、お客様とは長期のお付き合いになるので、資産運用はもちろんなのですが、それだけでなく不動産や相続税関連の相談も出てきます。
そのため弊社のスタッフには不動産鑑定士や税理士もおり、お客様の資産に関する包括的な相談に対応できるようにしています。
どのような取組に力を入れていますか。
米国に行くと医師、弁護士、ファインシャルアドバイザーが人生に必要な専門家と言われます。でも、日本だとそこまで重用されません。何が違うのか。それをいろいろ考えた時に浮かんだアイデアが、それならたとえば医師が提供しているのと同じサービスを作ってみてはどうかということでした。
それで生まれたのがFSカルテとFSカンファレンスです。ちょっと風邪を引いた程度の軽い病気であれば、医師は患者の様子を見て、適切な薬を処方して終わりですが、重い病気になると、さまざまな専門分野の医師が集まってカンファレンスを開き、その患者にとって最適な治療法を検討します。そのカンファレンスを行ううえで大事なのがカルテです。
ですから、私たちもお客様にご提案を差し上げる際は、お客様の問題をFSカルテにまとめ、それをベースにしてFSカンファレンスを開き、複数名のIFAが集まって議論を重ね、最適解を見つけるようにしています。
所属外務員のみなさまについて
IFAに求める人物像を教えて下さい。
資格は別に無くても構いません。ただ、長期でお客様に貢献したい、それによって自分自身も成長したいという気持ちの強い方がいいですね。あと、うちに属しているIFAは30代が中心なのですが、社会人経験3年くらいの20代にも入ってもらえればと考えています。
コンサルティングの世界は知識を持っているだけではどうにもなりません。やはり人の話を聞いて、ニーズを上手に引き出せる人であることが大事です。言うなれば人間力が求められるとでも言うのでしょうか。やはりお客様は圧倒的に年上の方が多いので、クオリティの高さが求められます。
IFAを目指している人、あるいはすでにIFAとして活躍している人たちにメッセージをお願します。
IFAを目指すなら、まず自分はお客様に対してどのような価値を提供できるのか、あるいはどのような価値を提供したいのかをしっかり考えておくことです。ここがブレているとIFAになっても良いことはないと思います。
あと個人マネーの世界では、これからますます長期的なプランを立てて資産運用をしていくことに対するニーズが高まっていくはずです。まさにIFAの仕事は社会的な使命を帯びたものであり、IFAの数がこれからも増えなければなりません。こうしてIFA業界が成長していくことを望んでいます。