株式会社リバティー・パートナーズ-代表取締役社長 関 恵史氏
「金融に拘らず異業種からの人材確保も視野に」
リバティーは「自由」。社名に掲げられているように、所属IFAの自主性を重んじ、各人の得意するスタイルでお客様と接することが出来る営業体制が、リバティー・パートナーズの特徴です。
自由闊達な社風のなか、どういう人材を求めているのかを、代表取締役社長の関恵史氏に伺いました。
キャリアから教えていただけますか。
1988年に三洋証券に入社したのですが、1997年に経営破綻しました。その後、セゾン生命に移ったのですが、同じ金融セクターでも証券と保険は全く違う世界でなかなか馴染めず、1999年1月にいちよし証券に転職しました。
その後、当時のジーク証券(現在のリーディング証券)、オリエント証券(現在のHS証券)と移り、2011年からはウィンデックス・パートナーズ、T&I コーポレーション、そして弊社というように金融商品仲介業者に勤めています。
ですから、IFAとしてのキャリアはちょうど10年ということになります。
リバティー・パートナーズの設立経緯を教えて下さい。
私自身は創業に関わっておらず、現在弊社の役員をされている方が2004年に立ち上げた会社です。私が以前勤めていたT&Iコーポレーションのスタッフ数名が弊社に移って業務がスタートしました。
その後亡くなられた前社長が2019年に就任し、現在私が社長を務めております。登記上、本社は東京になっているのですが、スタッフは大阪がメインです。
社名の由来についてもよく聞かれるのですが、リバティーですから「自由」ですね。IFAの皆さんの自主性を重んじ、各人のスタイルに合った仕事をしていただけるように、という前社長の願いが込められています。
事業概要と強みについて教えて下さい。
株式や債券、投資信託など証券商品を中心にして、お客様の資産運用アドバイスを行っています。弊社の場合、所属IFAの年齢が高めなので、当然のことですがお客様と非常に長くお付き合いさせていただいており、お客様自身の年齢も高めです。そういう事情もあり、最近は家族信託の相談に乗ったり、他社との業務提携で保険商品を扱ったりするようになりました。
強みと言いますか、これは特徴ということでもあるのですが、弊社の場合、所属IFAの方々の年齢が高めです。ですから、定年まで証券会社を務めあげて来られた方のセカンドキャリアとして、安心して勤め続けることの出来る環境を整えていきたいと思いますし、もちろん若い方にもご活躍いただけるインフラを、これから順次導入していきたいと考えています。
関様ご自身、証券会社のキャリアも長いのですが、一方でIFAとしてのキャリアも10年と、この世界を長くご覧になられています。両者を対比してどのように感じておられますか。
私自身のキャリアで申し上げますと、たとえばジーク証券(現リーディング証券)やオリエント証券(現在のHS証券)は当時、手数料の目標は設定されていたものの、商品ごとの目標はありませんでした。株式でも債券でも、あるいは投資信託でも、自分が得意な商品で手数料の目標を達成して下さいというスタイルだったので、ある意味、IFAに通じる自由さがありました。
でも、普通の証券会社は、決められた商品を決められた期間内に、決められた販売額を達成しなければなりません。それと比べれば、やはりIFAの自由さは魅力的です。 ただし、IFAの場合はお客様づくりから始まり、お客様の管理、お客様の運用計画、売買注文の発注、入出金などすべての業務フローを自己完結させなければなりません。自由である反面、IFA自身の自己管理が非常に重要だと思います。
所属外務員は何名いらっしゃいますか。
私を入れて所属IFAの人数は14名です。冒頭、申し上げましたように、大半は大阪で活動しており、年齢は65歳以上の方が中心です。中には昔、野村ミディをされていた方で、80歳を超えて今も現役で働いて下さっている方もおられます。
ただ、これからは長年勤めて下さっているIFAの方々に活躍の場を作っていくだけでなく、新しい視点で新しい人材の採用にも力を入れていきます。 たとえば副業が今以上に認められるような時代になることを見越して、保険会社の外交をされている方にIFAとして登録していただくとか、金融業界以外で働いている方の副業としてIFAになっていただくということも考えられると思います。
今のIFAは、もともと証券会社で営業を担当されていた方が、その時のお客様との関係を続けていくためにIFAとして独立される方が多いと思いますが、特に30代くらいの若い方は物事の考え方が柔軟なので、異業種からIFAになるというケースも十分に考えられます。
事実、お医者さんの経歴を持つ方でIFAになりたいという方もおられました。もちろんコンプライアンスは金融ビジネスの要ですから、この点はしっかり行うとして、これからは金融業界にこだわらずに広く次世代を創っていくIFAも育てていきたいと考えています。
新規のお客様の開拓については、どのような方法を取っていらっしゃるのですか。
私が証券会社に入ったばかりの頃は、さまざまな名簿を見ながら、それこそ1日のうちに100件、200件と電話をかけてアポをいただき、訪問するとか、片っ端からドアノックして飛び込み営業をするといったスタイルで新規開拓をしたものですが、今の時代にそれは通用しませんし、社会的にも受け入れられないでしょう。
これからはやはり既存のお客様から紹介してもらったり、自分自身が属しているコミュニティからお客様を探したりなど、人的なつながりからお客様になっていただくケースが増えていくでしょう。それだけに、IFA自身も常にお客様との信頼を大切にして、信頼感から新しいお客様を作っていくことを考えていく必要があります。
どのような人材を求めていらっしゃいますか。
やはり自己完結できる方です。弊社所属のIFAは業務委託契約ですから、一人一人が自営業者です。ですから、お客様の開拓から入出金の手続きまで、お客様と関わるすべての業務フローをすべて自分自身でこなせることが求められます。
ただ、そうはいっても自分以外のIFAはどうでも良い、自分さえ稼げれば良いというのではなく、他のIFAを尊重し、ともに成長していくという思いやりを持てる人が理想です。