エフピーサポート株式会社 三輪尚人氏 TOPインタビュー
今回は、生命保険業からスタートし、現在は金融仲介業でも活躍しているエフピーサポート株式会社の三輪尚人代表取締役と可児康充役員にお話を伺いました。
会社の歴史や特徴
三輪様の経歴を教えてください。
私は大学を卒業後、機械メーカーに入社しました。元々は理系の大学で学んでいたため、技術設計と営業を合わせた「市場開発部」で働いていました。その後、1995年4月にソニー生命に入社し、エグゼクティブ ライフプランナーの賞を2000年秋に受賞しました。
そして2002年秋、現副社長の富永と共にエフピーサポート株式会社を設立しました。この業界に入ってから7年半で、会社を立ち上げ、現在に至っています。
保険会社で活躍された中で法人を設立された理由を教えてください。
ソニー生命ではオーダーメイドの保険商品を扱っており、その自由度の高さが非常に魅力的でした。しかし、7年半勤務した後、多くのお客様から信頼を得る中で、ふと「一つの会社の商品だけで本当に良いのだろうか」と疑問を持ちました。
もっと多くの良質な商品を提供できるはずだと感じ、最適な商品をお客様に提供するためには、既存の枠を超える必要があると考えました。
その思いを胸に、富永(現在は代表取締役副社長)と共に、理想の会社を創設する決意を固め、エフピーサポート株式会社を設立しました。
IFA事業を始められたきっかけを教えてください。
当社を設立した当初から、私たちは単に保険を販売するだけではなく、お客様にリスクマネジメントを提供しつつ、ファイナンシャルプランニングを通じて老後の資産形成もサポートすることを目指していました。NISAやiDeCoなどの新しい制度に関する相談が増える中、これらを活用した資産の「増加」にも焦点を当てるようになりました。
これまでは「保障」が主でしたが、効果的なリスク管理を踏まえつつ、積極的に資産を増やす方法を取り入れることが最良だと考え、2017年に金融仲介業の事業を拡大しました。
エフピーサポート株式会社の強みを教えてください。
私たちは、共同開発や共同利用の取り組みを通じて、効率的で透明性の高いサービス提供を目指しています。その一環として私たちは「PAS」という独自の代理店支援システムを開発しました。
このシステムはお客様情報の管理から意向の把握、手数料の計算に至るまで、すべてのプロセスをデジタル化し、可視化しています。
このシステムを使用することで、お客様が提供した情報の変更点(住所や電話番号など)に迅速に対応でき、他社とは異なる綿密なお客様フォローを実現しています。さらに、私たちはこのシステムを使って、業界内でのガバナンスや適正化を徹底しており、これが私たちの強みになっています。実際に生命保険協会の認定代理店に選ばれています。
行政の厳しい規制の中でも、私たちのシステムとその運用は、業界標準を設定し続け、今後も一貫してお客様第一のサービスを提供し続けることを目指しています。
具体的な提案内容を教えてください。
現在、私たちは投資一任勘定と積立投資に力を入れています。
具体的には、コアサテライト運用を採用し、コアの部分はラップ口座で管理しています。このラップ口座では、一定のリスクとリターンを設定し、お客様の資産状況や意向に応じて最適な提案を行います。
サテライトの部分にはNISAを含む各種投資信託を推奨しています。資産形成層のお客様に対しては、将来を見据えたご提案し、リタイアメント層のお客様に対しては、物価上昇を上回りかつ安定したリターンを目指す投資アプローチを提案しており、お客様の生活スタイルやリスク許容度に応じたカスタマイズが可能です。私たちは、お客様の現在の資産状況と将来の目標を詳細に分析し、それに基づいて最適な提案を行います。
お客様一人ひとりのニーズに合わせた個別の戦略を構築し、それによってお客様が自身の財務目標達成をサポートしています。
求める人物像を教えてください。
「ワンストップサービス」を提供する為、保険を含む金融商品全般にわたってお客様に一貫したサービスを提供できる能力が必要です。
これを達成するには必要な知識をしっかりと身につけ、自己研鑽を怠らないことが求められます。さらに、何よりも目標に向かって地道に努力を続けるスキルが重要だと考えます。
弊社は継続的な教育プログラムを提供するだけでなく、実際の案件を通じて経験を積める機会を提供しています。また、個々のキャリアゴールに応じた具体的な指導も行っており、それぞれのプロフェッショナルが最大限のポテンシャルを発揮できるよう支援しています。
弊社は現在、委託型のビジネスモデルも導入しました。そのため、他の保険代理店に所属している方々も、弊社のビジネススタイルにご賛同いただければ、一緒にお仕事をすることが可能な環境を提供しています。
IFA業界への思い
現在のIFA業界の状況についてどう思いますか?
現在のIFA業界は、多くの業者がコミッションベースで運営しており、。特に証券出身のIFAは収益を稼ぐことに重きを置いている人が多いように感じます。
業界全体が短期的な利益追求に偏ってしまうことが大きな問題です。
私は、このような状況を改善するためには、フィーベースのアプローチが必要だと考えています。フィーベースのモデルを採用することで、より公正で持続可能なビジネスが展開でき、IFAの専門性と信頼性が高まると思います。この変化が社会全体に広がることで、IFAとしての認知もより向上するでしょう。
フィーベースのモデルでは、お客様の利益が最優先されるため、お客様からの信頼を得やすくなります。これは長期的な関係を築く上で非常に重要です。また、IFAの提案が短期的な利益を追求するのではなく、真にお客様のニーズに対応したものとなるため、質の高いサービスを提供できるようになります。これにより、業界全体のイメージ向上にも繋がり、IFAとしてのプロフェッショナルな地位も確立しやすくなるのではないでしょうか。
今後のIFA業界で生き残るためには、どのような知識やスキルが必要だと思いますか?
IFAとして成功するためには、単なる知識やスキルだけでなく、「志」や「理念」も非常に重要です。私たちは特に、お客様と長期にわたり共に歩む「伴走者」としての役割を重視しています。ゴールベースでのアプローチを取り、お客様一人ひとりの目標達成をサポートすることが、IFAの基本的な姿勢であるべきだと考えています。
さらに、現代ではデジタル技術やAIの活用が進み、これらを駆使してお客様サービスの質を高めるDXが求められています。この技術を理解し、活用できる能力もIFAにとって必須のスキルとなります。お客様のニーズに応じて、「まもる(保険)」「ふやす(投資)」「のこす(老後資金&相続)」という三つの要素を一体的に考えるワンストップサービスが特に重要です。
これにより、お客様の資産を全方位的に管理し、各ライフステージに最適な提案を行うことができます。
具体的には、保険を利用してリスクを管理しつつ、IFAを通じて資産形成を支援し、相続計画によってお客様の資産を保全するサポートを行います。この複合的なサービス提供能力が、今後のIFAに求められる重要なスキルとなるのではないでしょうか。