ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社-代表取締役社長 延地 郁智氏
「証券子会社でコンプライアンスに強みを発揮」
あかつき証券会社の戦略的子会社として、100%出資のもとに立ち上げられたジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社。完全独立系ではない、証券会社資本の金融商品仲介業者はどのような強みを持っているのでしょうか。
代表取締役社長の延地郁智氏に話を伺いました。
延地氏のキャリアから教えていただけますか。
もともとは中堅の対面証券会社で個人営業を行っていたのですが、90年代の後半にインターネット証券が次々に設立された時、私が勤めていた証券会社が株式をソフトバンクグループに譲渡して、今のSBI証券の前身であるEトレード証券になりました。
その後、2000年初頭にSBI証券がIFA事業に参入した時、福岡支店のIFA事業の責任者になり、それから縁があってあかつき証券に転職して、関西の支店で支店長を経験し、2020年3月にジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社(以下「JWA」という。)の社長に就任いたしました。 JWAはあかつき証券の 100%子会社です。あかつき証券は今、IFA事業をビジネスの核にしておりますが、たとえば一個人がIFA法人をゼロから立ち上げようとすると、法人の設立からライセンスの申請、取得に至るまで、かなり時間がかかります。
その間、収入に不安のある方もいらっしゃると思いますので、JWAはそういう方たちの受け皿となるケースもあります。また、あかつき証券の子会社として、他の金融商品仲介業者に比べて高い報酬率を設定し、少しでもIFAの方々が働きやすい環境を整備するように心がけています。
ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社の社名の由来を教えて下さい。
日本の富裕層に対して、きちんとした資産運用アドバイスをご提供したいという願いを込めております。IFA本来の姿をしっかり理解して、商品を売るセールスマンではなく、アドバイザーとしての立ち位置を確立していきたいと思います。
所属されているIFA はどういうキャリアの方が多いのですか。
対面証券会社出身者の方が多いですね。年齢層は30代から60代まで在籍しており、結構幅広いと思います。30代、40代のIFAは、やはり自分の腕を試したいというチャレンジ精神が旺盛な人が多いですね。
会社に頼らず、自分で大きな仕事をしたいと思っています。 これに対して50代、60代のIFAは、大きな案件を開拓したいというよりも、これまで自分が関係してきたお客様と、じっくり長く付き合っていきたいという気持ちが強いようです。
証券会社にいた時と、IFAになってから最も大きく違うと実感した点は何ですか。
ここ数年、相場が良かったこともありますが、証券会社の営業に比べると、報酬面がかなり優遇されている点は、メリットとして感じてもらっている方が多いようです。中には証券会社の営業担当者時代に比べて、収入が10倍になった方もいらっしゃいます。
一方、所属IFAは個人事業主になるので、会社に守られるものがないという点はシビアに捉えているようです。以前は税金を納めるのも会社がやってくれましたが、個人事業主ですから納税手続きは自分でやらなければなりませんし、交通費やその他の経費についても、自分たちが持つ形になります。
会社員だった時のように、ひたすら営業活動のみに専念できるわけではなく、幅広い意味で自分自身をマネジメントする能力が求められます。その点についてはシビアで大変だと感じる方が多いようです。
ジャパンウェルスアドバイザーズ株式会社の強みは何ですか。
あかつき証券の100%子会社ですから、資本がしっかりしていますし、先ほども触れましたが、報酬率が高いことも魅力のひとつだと思います。 あと、何といってもコンプライアンス態勢がしっかりしています。あかつき証券からコンプライアンス部門の担当者に来てもらっていますし、毎月必ずコンプライアンス研修も行っています。
お客様との電話のやりとりについては常に録音していますし、タブレットで営業日誌を適切に記載してもらうことによって、事後においてもお客様との過去の商談状況等が確認でき、トラブル等が発生した際にもIFAの正当性を立証できる体制を築いています。 基本的にIFAは自由度の高い仕事ではありますが、所属IFAを守るという意味でも、コンプライアンス態勢には力を入れています。
IFAに求められる人物像について教えて下さい。
よく言われることですが、お客様を大事にする人ですね。
数年間、IFAとして働き一定の収入を得て業界から去るというような人ではなく、長期的な視野でお客様との関係を構築できる人が望ましいと思います。IFAという仕事に対して自分なりのポリシーが持てる人がいいですね。
IFAの良さとは何ですか。
時間の拘束がないことです。結果的に多様な働き方が出来ます。社員は勤務時間に縛られますが、IFAは自由です。 当社は基本的に24時間オフィスに出入りできますから、出張に出かける前の早朝にオフィスに来て、資料を作成してから出かけることも出来ますし、夜遅く出張から戻った後、オフィスで残務処理をすることも出来ます。
営業先にも制約はありません。 自主性は問われますが、自由な働き方が出来るメリットを最大限に享受していただけるような職場環境づくりを目指したいと思います。
IFAを目指している方へのメッセージをいただけますか。
良い意味でも悪い意味でも、自分は本当にIFAとして独立したいのか、十分に考えることが大事です。そのなかで私たちをパートナーに選んでいただければ、それはとても喜ばしいことですし、選んでいただけたならば必ずご満足いただけるだけの選択肢を用意しております。
延地氏の座右の銘を教えてください。
やればできる。