株式会社ジャパン・エクイティー・サービス-代表取締役社長 佐久間英夫氏
「経験値の高いベテランIFA集団で顧客サービスの向上に努める」
金融商品仲介業者として、業界のなかでも長い歴史を持つ株式会社ジャパン・エクイティー・サービス。所属するIFAの年齢層も比較的高めですが、長いこと証券ビジネスの世界に身を置いた人たちを中心とした経験値の高いサービスが魅力です。
その代表取締役社長の佐久間英夫氏に、これからあるべきIFAの姿などについて伺いました。
ジャパン・エクイティー・サービスは金融商品仲介業者の中でも歴史があることで知られています。会社設立の経緯から教えていただけますか。
設立は2005年で、2007年に金融商品仲介業登録を行っていますから、14年目ですね。当時、私は藍澤証券の常務だったのですが、その時の社長が、この会社の設立を考えました。
背景としては、藍澤証券で営業担当者としてキャリアを積んできた人が定年を迎えた時、そのキャリアをさらに生かしてもらうためです。フル・コミッションなので、能力さえあれば食べていくことが出来ます。
今、IFAがここまで浸透してきたのを見ると、あの時の判断は的を射ていたと思います。
佐久間さんのキャリアを教えて下さい。
私は1975年に藍澤証券に入りました。ですから、証券マンとしてのキャリアはかれこれ45年になります。36歳で支店長、45歳で役員になりましたが、仕事をしていて一番楽しかったのが支店長になった時ですね。何しろバブルのど真ん中でしたから。
でも、逆に1990年代に入ってからは厳しい状況が続きました。バブルが崩壊して株価は急落。そのなかで三洋証券や山一証券が倒産して、株価は下落の一途をたどりました。
常務になったのはリーマンショックが明けた頃で、民主党政権のもとでしばらく相場は厳しい環境でしたが、2013年に自民党政権になってからは再び上昇局面に入って今に至るなか、2018年に藍澤証券を退職し、2019年6月にジャパン・エクイティー・サービスの社長に就任いたしました。
証券会社役員から金融商品仲介業者の社長に転身されて、意気込みのようなものをお聞かせいただけますか。
証券会社はお客様に儲けていただく前に、自分たちが手数料を稼ぐための営業を行ってしまいがちです。実際、そういう営業をした人ほど証券会社の中では評価される傾向がありますが、それでは長続きしません。でも、IFAはお客様との関係を一生続けていくことになりますから、お客様を大事にしなければ仕事になりません。
ここが証券会社の営業とIFAの大きな違いです。私は今までの反省も踏まえたうえで、お客様を大事にするIFAを育てていきたいと考えています。また富裕層は自分の資産の相続、贈与などに頭を悩ませていると思いますが、証券会社の場合、大手にしても中堅にしても、親身になって相談に乗れる営業担当者がいません。
なぜなら、3年おきに転勤があって、担当者が入れ替わっていくからです。この点についてもIFAであれば担当は変わらないので、長いお付き合いをさせていただくなかで、相続や贈与に関するご相談にも乗ることが出来る優秀なIFAを育てていく所存です。
所属しているIFAはどういう方が多いのですか。
全員で30名のIFAが在籍しています。年齢は一番若い人で42歳。あとは50歳前後が中心年齢で、なかには70歳前後のIFAも数名いらっしゃいます。
今、多くの金融商品仲介業者は30代のIFAが中心ですが、歳を取っていると経験値が上がっていきます。これもひとつの価値だと思っています。健康であり、判断能力も衰えていなければ、何歳まででも働いてもらいたいですね。
雇用形態はどうなっていますか。
うちは完全なコミッション形式です。固定給は一切ございません。ただ、そこが課題のひとつでもあるのですが、完全コミッション制になると若いIFAが集めにくくなる傾向があります。
したがって、会社としてしっかり利益を確保して、フル・コミッションに抵抗がある若い人たちには最低限の基本給を保証したうえで、徐々にコミッションの比率を高めていくなど、別な報酬体系を導入していくことも検討しています。
どのようなスタイルの運用を広めていきたいと考えていますか。
実は前職の藍澤証券は、中堅証券ではあったのですが、どちらかというと中長期投資を前面に打ち出していました。それを踏襲して、中長期投資のお客様を増やしていきたいと考えています。
今では株価が1万3000円台にある日本電産の株式だって、かつては2000円前後で投資できた時もありました。それが歳月を経て、会社がどんどん成長していくなかで、株価は実質15倍にもなったのです。そういう銘柄に投資してもらい、財産を中長期的に増やしていただけるようなアドバイスを行っていきます。
それとともに、これから増強したいのが債券です。お客様のポートフォリオの安定性を高めていくうえでも、債券は必要な資産クラスです。仕組債のような、リスクの高い商品を主軸にするつもりはありませんが、株式と債券の分散投資を、これから強化していきます。
これからIFAを目指す方へのメッセージをお願いします。
証券会社と違って、IFAは自分が理想とする営業スタイルで営業できますし、お客様とも長いお付き合いになりますから、お客様を育てていくことが出来ます。実力さえあれば大きな商売も出来ますし、収入も増えるでしょう。
ただし、IFAはお客様第一の商売ですから、証券会社の営業担当から転じる場合、意識を変える必要があります。とにかく自分がコミッションを稼ぐことを優先させるようなIFAは長続きしません。
お客様の資産を増やすことを最優先することが、IFAとしてお客様との関係性を深め、長く活躍できるポイントになります。