ヴァスト・キュルチュール株式会社 安東宏典氏 TOPインタビュー
「プライベートバンク × 百貨店」日本最大のウェルス・マネジメントファームを目指す」
ヴァスト・キュルチュール株式会社は、2021年に独立系プライベートバンクとして始動しました。今回は、代表の安東宏典氏に同社の魅力や今後の展望についてお伺いしました。
安東宏典様
京都産業大学卒業後、トマト銀行に入社。その後、岡三証券、三井住友銀行を経て、UBS銀行・UBS証券に所属し、富裕層のお客様への提案業務に従事。UBSを退職し、2022年2月にヴァスト・キュルチュールの代表取締役Co-CEOに就任。現在は、IFAとして活動をしながら、成長戦略、執行、運営責任者を担う。UBS証券においてはCAオブザイヤー、楽天証券においてアセットグロース賞(個人部門)で1位など、多くの表彰を受賞。
ヴァスト・キュルチュール株式会社の歴史や特徴
ヴァスト・キュルチュール株式会社について教えてください。
ヴァスト・キュルチュール社は世界最大級の金融グループ出身のメンバーによって2019年に設立されたIFA法人です。
特徴は、主に以下の3点です。
・日本国内のあらゆる金融機関よりも高いレベルのウェルス・マネジメントサービスを提供し高い成長性を確保している。
・国内の士業の金融リテラシー向上を支援する「日本PB協会」の立ち上げのほか、社会課題の解決を目指す非営利法人や研究機関へ必要な資金を届ける仕組み「FUKUWAKE」を構築するなど、ウェルス・マネジメントと社会貢献活動の融合を進めることで、より良い社会の実現をめざしている。
・プライベートバンク未経験の方でも活躍できる顧客基盤拡大のインフラと育成体制がある。
創業の経緯としては、2019年当時、IFAは海外と比較して日本ではまだまだ認知度が低い状態でしたが、比較的海外の景色をみている自分たちだからこそ、優位性があると感じ設立しました。本国と金融先進国の提案レベルやソリューションの差が成長余力であり、そこをキャッチアップする事だけでも相応のシェアが獲得できると感じました。また弊社が当り前になることでお客様にとってもIFAにとっても良い社会が作れると思い、始動しました。
数々のグローバル金融機関が日本から撤退し、資本を成長国に移す中、我々は金融について日本でまだやるべきことが残っていると考えています。
IFAと外資系証券の違いを教えてください。
外資系証券での働き方には自由なイメージを持つ方もいらっしゃるかもしれません。しかし、実際のところは異なる部分もあります。例えば、資金導入や収益に対して目標が設定されており、達成できない場合は解雇されることもあります。また撤退を余儀なくされることもあります。その場合、顧客は他の担当者が引き継ぐことになり、専任担当制が実現できていないケースもありました。
一方、IFAであればそういったことはありません。本当の意味で『生涯担当制』を実現することができます。また、提案できるサービスは大きく変わりませんが、ネットの方が利便性も高く、コスト面も下がるため、お客様に受け入れていただきやすいように感じています。
ヴァスト・キュルチュール株式会社の採用と育成について
所属メンバーについて教えてください。
弊社は主にプライベートバンク出身者や富裕層のお客様の取引経験者が集まっています。そのため、外資系および日系金融機関の双方で得たノウハウを最大限に活かし、お客様に貢献できるメンバーが揃っています。
一方、若手の採用については、前職での経験はあまり重視しておらず、入社後の育成を前提として採用を行っています。
そのため、現在は様々なバックグラウンドを持つ若手が増えています。最近では証券会社の若手社員や、銀行、信用金庫出身者を採用しました。
ヴァスト・キュルチュール株式会社での育成について教えてください。
弊社は冒頭でもお伝えした通り、採用と育成に注力しております。
プライベートバンクでの経験はもちろんのこと、極論、証券会社での営業経験も必要ありません。トップバンカーが直接育成する体制が整っています。また、「人が人を育てる、人を大事に出来ないと心が育たない」をモットーにメンバー同士でナレッジを共有する文化にしてます。
未経験の方でも活躍するために重要なことは、以下の3つです。
・お客様が喜んでくださることを考え、実行するのが好きであること
・超富裕層のお客様との接点の作り方を知っていること(後述)
・お客様に選んでいただくための努力(能力向上等)を怠らないこと
3つのうち一つでも欠けていると結果を出すことができません。弊社ではこの3つの重要性を伝えること、かつ実行するための体制が整っていることで、未経験者でも早期に卓越した成果を出すことに成功しております。
ご入社いただいた方には、以下3点をはじめとする基本的なことを一からお伝えしています。
・会社説明の方法
・潜在ニーズの捉え方
・資産家の課題
例えば、会社説明の方法に関してですが、正直なところ、当社と他IFA法人で金融商品のラインナップが大きく異なることはなく、特別な物を扱っているわけではありません。そんな中でお客様に選んでいただくためには、なぜ当社であるのか、さらに言うとなぜ自分なのかをきちんと伝えることが重要です。そのため、一番初めのトレーニングでは、会社のミッション、ビジョン、バリューを徹底的に説明し、理解してもらいます。
先ほど、採用において過去の経験はあまり関係ないとお話ししましたが、経験がなくとも会社の魅力をお客様に伝えることができれば、お客様に選んでいただくことができると考えています。
また、お客様の話を聞いて、顕在・潜在ニーズを含めて何を求めているのかを理解して提案するようにと伝えています。ごく当たり前のように感じますが、意外と実践できていない人が多いように思います。
顧客開拓についてはどうされていますか。
先ほどお話ししましたが、メンバーが活躍するために重要視しているポイントの一つが「超富裕層のお客様との接点の作り方」です。
これに関しては、基本的には、ご紹介いただくことが多いです。テレコールや飛び込み営業は行っておりません。例えば、2023年に立ち上げた「日本PB協会」もその一つです。
これは元々、日本の士業の金融リテラシー向上を支援する活動を目的としたものでした。税務と金融は密接な関係にありますが、実際士業の方々のお話によると、『有価証券』については学ぶ機会が少ないということがわかりました。そこで、士業の方に向けた金融勉強会を開催し、士業としての新たな付加価値を身につけていただけるようにと考えたのが設立のきっかけです。
実際に、多くの方々から好評をいただいており、お客様と金融のお話をする機会が増えたと伺っています。それにより結果的に、弊社の業務姿勢やミッション・ビジョン・バリューに共感頂いた士業の方から自身のお客様の運用を弊社に任せたいとのご相談が増えてきました。
また、富裕層の方々はお子様の教育にも力を入れられています。当社もその点でサポートをしたいと考え、留学イベントなどを開催しています。これにより、お客様との新たな接点が生まれています。
今回の百貨店との提携もこの一環であり、このように会社として様々な接点を持っています。さらに、私が顧客開拓からアフターフォローまで同行するなどのサポートも行っています。
求める人物像とは
先ほどお話しした通り、過去の経歴や経験はあまり関係ないと考えています。
「人としてきちんとしていること」「ビジネスマンとして当たり前のことができること」「人が好きなこと」の3つが揃っていれば、当社の育成を経てしっかりと営業活動ができるようになると考えています。
そのため、バイタリティがあること、素直であることも重要です。自分の考えはもちろん大事ですが、もっと学びたいと思い入社する方は、まずは当社が考えるプロセスを実践することから始めると良いと思います。実際、当社の営業プロセスを学び、活用した若手IFAはとても活躍しています。
例えば、預かり資産の増加が、その一例です。入社1年半の銀行出身者は、現在45億円の預かり資産を持ち、同じく入社1年目の信用金庫出身者は27億円まで積み上げています。
上段の通り、弊社は顧客開拓のノウハウや富裕層へのアプローチ方法が確立できているため、チャレンジ精神があり素直な方が存分にチャレンジできる環境を提供しています。
※同社の所属IFAにインタビューしました。実際の体験談をぜひご覧ください。
<URL>
https://ifa-tenshoku.com/column/12334/
IFA業界への思い
現在の金融業界に対して感じている課題
顧客本位のあり方については、違和感を感じています。
海外の金融業界に少しでも触れていれば、日本の金融機関の遅れや本来あるべき姿に気づく機会もあるかと思います。しかし、ほとんどの方は気づくことなく、会社都合や目標のための提案を行ってしまっていることが多いように思います。同業でも自身の生活の為に回転売買や手数料の高い商品を販売している等の話をよく耳にします。
このように、お客様が求める会社・相談先ではなくなってきているところが大きな問題であると感じています。
今後のIFA業界について
今回、当社が百貨店と業務資本提携したことは、今後の業界の流れを大きく変える一手であると考えています。今まで金融機関がお客様に提供できるものは、金融商品がほとんどでした。ですが、今回の提携で当社は金融商品以外のものを提供できるようになりました。
元々弊社は宝飾品や特別な体験なども資産と捉えて、高価な宝飾品、思い出、先代の成功体験も承継すべきものとして会社を運営していたので、提供できる幅や価値が格段に広がりお客様に喜んで頂ける環境が出来ていると感じています。
このように、「ただ金融商品を提案するだけでは金融機関とは認めない」、と言われるくらいまでガラッと認識を変えていきたいと思っています。本当のゲームチェンジです。
弊社の目標は、海外のプライベートバンクと肩を並べ、さらにそれを超える会社になることです。そのためにも、一人当たりの預かり資産を500億円以上にすることにこだわっており、まず自分が率先してその姿を見せています。主役はお客様ですので、お客様の人生を最高の形にアレンジできる人材を増やしていきたいと思います。