Fintegrity株式会社 三木 佑也氏
今回は、”正確なお金の知識を持つことが「当たり前」の世の中を創る”というミッションを掲げる「Fintegrity株式会社」についてご紹介します。
代表の三木氏は、創業以前は野村證券で活躍されていました。三木氏に、会社設立の経緯やIFA業界への思いについてお伺いしました。
まず初めに、三木氏のキャリアを教えてください。
2006年に野村證券株式会社へ入社し、横浜支店でキャリアをスタート。その後、静岡支店・人事・梅田支店に在籍し約10年間、リテール業務を担当しました。続いて名古屋のコーポレートファイナンス部(いわゆるIB部門)に異動し、東海地方の上場企業を中心にM&Aやファイナンス、IPOの支援に携わりました。
そして、2022年12月に「Fintegrity株式会社」を創業し、現在は第3期目を迎えております。
独立された経緯を教えてください。
IFAの存在を知ったのは、同年代の野村證券の社員が退職してIFAになったという話を耳にしたことがきっかけです。かつて米国でIFAが広がった背景には、大手金融機関が富裕層ビジネスにシフトしたことで地方の富裕層向けアドバイザーが減少したことがあると考えています。現在の日本も、アメリカの約30年前と似た状況にあると感じました。
大手証券会社やメガバンクが地方から撤退し支店を閉鎖する現状においては、地方で金融リテラシーを伝えるアドバイザーが減少することが懸念されます。このような状況で、地方にこそ金融知識を「正確に」伝えられるIFAが必要だと考え、優秀なアドバイザーを育成・派遣する体制を整えるべく当社を設立しました。
Fintegrity株式会社の社名の由来を教えてください。
「Finance(金融)」と「Integrity(誠実さ)」を掛け合わせた造語からきています。
金融に最も大切なことは、「誠実さ」である、と考える当社にとって、常に顧客目線で事業を行っていくという宣言でもあります。
経営理念を教えてください。
当社の経営理念は、“「金融」×「誠実」を体現し、一人一人が正確なお金の知識を持つことが「当たり前」の世の中を創る”ことです。これを実現するのは容易ではないと、金融業界に携わった経験がある方ならご理解いただけるかもしれません。
例えば、銀行であれば過剰な貸し付け・貸し剥がしの問題、証券会社であれば回転売買やノルマの達成のための無理な営業、M&Aブティックであれば法外な手数料を取る仲介モデルなどが代表例です。
私たちはこうした金融リテラシーの格差を過度に手数料に変えるビジネスモデルは採用しません。特に日本の金融業界では、顧客よりも金融機関側の利益を優先する傾向は現実的にあったと考えています。
このような現状の中で、当社は「一人一人が正確なお金の知識を持つことが当たり前の世の中にしたい」という思いのもと、個人・中小企業から上場企業まで、幅広い顧客に向けた誠実で多角的なサポートに尽力しています。
現在、注力している取り組みを教えてください。
当社は、IFAによる資産運用のサービスだけでなく、総合証券サービスを提供する企業を目指しています。他社と大きく違う特徴は、IB(投資銀行)ビジネスとリテールビジネスの融合を積極的に行っていることです。
当社では、自社でM&Aのエキスパートを採用し、M&Aを内製化しております。また売却ではなく承継を選ぶお客様もいるため、事業承継についてもスキルの高い専門家と協業しサービスを提供する体制を築いています。
一般的なM&Aブティックの場合、M&Aの成功が収益につながるため、お客様を売却に誘導してしまう傾向があり、必ずしもお客様にとって誠実な提案とならないケースがあります。
しかし、当社はM&Aと資産運用の両方を手掛けているため、これらのシナジーを最大限に活用し、お客様にとって真に価値ある提案を実現しています。
具体的には、IFAが持ち込んだ案件をM&Aとして成立させ、その売却代金を運用に回すといった、効率的かつ整合性の取れたサイクルを構築しています。
当社では、アセットマネジメント会社から1兆円規模のファンドのファンドマネージャーを採用しており、資産運用の提案において他社と比較しても価値の高い情報をIFAの方に届けることができるため、会社を売却したオーナーの資金も高確率で取り込めています。
当社ではIBとリテールの協業は幅広い分野で実現できると考えており、M&A以外にも様々なビジネスを展開しています。
他の取り組みとしては、スタートアップ企業の支援を積極的に行っており、上場・中堅企業との業務資本提携のアレンジやエンジェル投資家との引き合わせを実現しています。上場を目指している企業を支援することで将来的な上場株式の取り込み、大口の運用顧客の獲得につながると考えています。
また、これ以外にも当社では他社には無い独自の商品ラインナップをIFAの方に提供することを強みにしています。IBビジネスを行っている中で、数多くの素晴らしいサービスに出会うことができています。当社のお客様は富裕層が多いため、金融以外にも様々なニーズを抱えています。そこに提供する商品が他社と同じようなもののみではなく、当社とその企業の関係の中で提供いただいているものが多くあり、他社では扱うことが難しいものを多数抱えています。
例えば、企業の営業戦略や人事報酬制度に関わる提案であったり、日本を代表するアーティストの販売代理店など、お客様のどのようなニーズにでも応えられるサービスを提供できる体制を迅速に作り上げています。
メンバーの皆様について教えてください。(出身企業・年齢・男女比・など)
当社のメンバーは、野村證券出身者が半数以上を占めており、それ以外ではIBチームには大手メディアや一部上場企業出身者などがおります。
年齢層は30代半ばから40代前半が中心で、最年長は56歳、最年少は30歳前後となっています。
比較的経験豊富なメンバーが多いのが特徴です。
また、フロントメンバーには女性が3名おり、業務委託として加わっている3名を含めると、女性は全体で6名在籍しています。
全体の男女比はおおよそ男性6割、女性4割です。
求める人物像を教えてください。
当社が求めるのは、真面目で、金融業に対して誠実に向き合う意欲をお持ちの方です。
その気持ちさえあれば、経験やスキルがなくても問題ありません。必要な支援や育成は全てこちらでサポートしますので、安心して新しい一歩を踏み出していただけます。
さらに、地元(特に地方)に貢献したいという思いをお持ちの方であれば、なお歓迎です。
例えば、大手金融機関を退職された後、育児を終えて再び働きたいと考えている方や、全く異業種から金融業界に挑戦してみたいという方も積極的に採用しています。
ただし、採用をお断りする場合もあります。
それは、人間性が当社にそぐわないと判断するケースです。
当社では、正直で誠実な姿勢を何よりも大切にしています。そのため、常にお客様や業務と真摯に向き合える方を求めています。
現在のIFA業界・金融業界に感じている課題を教えてください。
私は、業界全体の質が思った以上に低いと感じています。
提案内容が粗雑で、説明不足や誤った情報の提供が行われているケースもあります。
例えば、格付機関で評価が異なる債券について、投資不適格の評価を隠し、適格評価のみを提示したり、手数料についての説明をほとんどしていないという不誠実な行為も散見されます。
こうした行為はお客様の信頼を損ねるものであり、非常に憤りを感じます。
現在、仕組み債等の規制が進んでいるにもかかわらず、このような問題が依然として業界内で横行している状況は、IFA業界全体のレピュテーション(評判)の向上を大きく妨げています。
その結果として、IFAを目指す人材の減少や業界全体の健全な成長の阻害が懸念されます。実際、お客様から「IFAは質が悪い」というお声を耳にすることも少なくありません。
この状況を放置していては、日本全体の金融リテラシー向上は望めません。
業界が健全化されない限り、金融庁による規制強化が続き、未整備な業界システムがますます厳しい状況に追い込まれ、サービス・品質のさらなる低下を招くという悪循環に陥ることも懸念されます。
この負の連鎖を断ち切るためにも、業界全体で改革を進める必要があると強く感じています。
IFA業界では、約定を優先する営業スタイルが根強く残っており、適切な説明が行われないケースも多いのが現状です。
このような状態が続く限り、IFA業界が顧客の信頼を回復するのは難しいでしょう。私自身、独立してからこうした問題の本質に改めて気づきました。
現在のIFA業界には、負のイメージがつきまとっています。
このイメージを払拭するためには、IFAがしっかりと稼げる仕組みを作り、お客様に適切なサポートを提供することが重要だと考えています。
業界には真摯に仕事をしたいという意欲を持つ方々も確かに存在しますが、その多くが、活動方法や顧客開拓の方法で課題を抱えているのが現状です。
私たちは、こうした方々を支援し、業界全体の質を向上させるために尽力したいと考えています。
正確な金融の知識を広げるために、会社としても顧客開拓に力を入れますし、IFAの方々の教育にも優秀な人材と投資をしっかりして育てていきます。「Fintegrityにいけば一流のIFAになれる」、そういっていただけるような仕組みを作るために日々試行錯誤しています。
私たちはIFAの皆様を一人にさせません。
一緒に日本の金融を変えるために、共に進むパートナーでありたいと考えています。
今後の金融機関はどうなっていくと考えていますか。
現状のままでは、既存の金融ビジネスが消費者から見捨てられる可能性は高いと考えています。
金融や投資への関心が高まる中で、SNS中心に様々な情報が世の中に広がっており、金融機関の在り方に疑問を抱く人が増えているのが現実です。
こうした状況の中で、自らが変化せず、過去のビジネスに固執するようであれば金融業界は社会から信頼を失ってしまうでしょう。
しかし、同時に情報の信頼度という観点では昨今の現状に不安を覚えます。物事の一面だけを切り取った情報があまりにも広がっているとも感じます。
私は、やはり訓練された金融のアドバイザーこそが、正確な情報を投資家の皆様に届けていくことが一番良い形だと信じています。
日本経済を支える上で、金融は欠かせない事業です。
「人・物・お金」という三要素の中で、日本人が豊富に持つ「お金」を活用しきれていない現状を変えることで、日本経済・国民の生活を再度豊かにすることはできます。
それこそが、金融の世界に生きるアドバイザーの使命だと考えています。
当社は、この変化の一歩を踏み出す存在でありたいと考えています。
同じ志を持つ人々がその姿勢に共感し、協力してくれることで、金融業界全体に波及効果をもたらすことができると信じています。
誠実な取り組みを続けることが、業界全体の信頼回復と未来への変革を実現する鍵となります。
上記のような大きな目的を達成するために我々が大切にしたいことは、現場でお客様一人一人に丁寧に対応し、「ありがとう」と言ってもらえる質の高い提案を積み上げることです。
大きな志も一つ一つの面談から積み上げて実現するものだと考えています。
志に共感してくれる仲間を採用し、一流のアドバイザーに育成することで、業界全体にポジティブな影響を与えられるよう努めていきたいと思います。
また当社は地方で働きたい方を歓迎しており、全国どこででも変わらない質の高い育成体制を構築しています。
地方こそ、金融リテラシーが伝わりづらい環境がある中で、当社は他社とは違い、地方に金融リテラシーを広げることをビジネスの根本にしたIFA法人を目指しています。
是非、私たちと一緒に新しい金融ビジネスの形を築きましょう。
皆様とお会いできるのを楽しみにしております。