FPブレーン株式会社 岩川 昌樹氏 TOPインタビュー
FPブレーン株式会社はお客様と共に様々な金融危機を乗り越え、2023年に創業20年を迎えた。
今回は、20年間一貫している投資への考え方やお客様への思いについて代表の岩川様に話を伺いました。
会社の歴史や特徴
ご経歴と会社設立の経緯を教えてください。
大学卒業後、証券会社に入社し、その後、声をかけていただいてソニー生命保険へ転職をしました。そして、国内外の金融情報を収集する中で、アメリカのIFAという存在を知り、2002年に独立。当時、業務委託契約の可能な日興証券と契約し、IFAおよび保険代理業を兼務して、現在の会社を創業いたしました。
社名『FPブレーン』の由来は何ですか。
ファイナンシャルプランナーとして、頭脳的に活動を行っていきたいと考えたので、社名には『FPブレーン』を選びました。
経営方針を教えてください。
弊社は、ライフプランに基づく包括的資産管理を軸に、有料FPサービスとIFAサービス(主に投資信託)の提案を行っています。
FP相談を有料としているのは、手間と時間による対価をいただくことは当然のことと考えており、また、完全に中立的な立場から提案するためです。これにより、商品提案ありきの相談ではなく、本当の意味での資産運用アドバイスを行うことができています。実際に、お客様からは「有料だからこそ安心して相談できる。」と言うお声もいただきます。
また、会社の収益はほとんど投資信託で成り立っています。はじめは苦しい時期もありましたが、20年間一貫としてビジョンを貫き、投資信託の残高を積み上げてきました。
お客様へ「安心とともに」資産管理サービスを提供することを大事にしています。
会社のビジョンを教えてください。
会社設立時に、フィービジネスをするというアメリカのIFAの形を目指してスタートしました。アメリカでは「医者、弁護士、FPの3人の友を持て」と言われます。アメリカでファイナンシャルアドバイザーがこのように認識されているように、日本のお客様にもその重要性を深く理解していただきたいです。お金のドクターとして、お客様の家計を守れるような存在を目指しています。
そのため、IFAとしては、お客様の全ての資産を管理させていただくにあたり、資産の効率化と安心を提供したいという思いを持ってずっと活動してきました。その思いは20年間ずっと一貫して持ち続けています。
ちょうど先日、お客様を招いて20周年記念のイベントを行いました。その中には、15〜20年前からお付き合いいただいている方もいるのですが、「運用方針は本当に全く変わらないね」とのお声もいただきました。
具体的にはどんな提案をされてますか。
一般的な言葉でいうと、ゴールベースアプローチということになりますが、「生きるための想いを叶えること」を大事にしています。お客様の幸せのために、サポートさせていただくというのが根本的な考えで、その手段としてお金の管理をさせていただくというイメージでしょうか。
弊社は、FP相談も全て有料で行っていますので、無理な提案は一切ございません。
有料だからこそ、お客様には真剣にお話を聞いていただけますし、ご自身の資産の状況も全て共有いただけます。それをふまえてポートフォリオを作成してご提案しています。具体的な商品で言うと、ほとんどが投資信託です。まずは、株式と債券で50%ずつで考え、そこからお客様の目標やリスク許容度に応じて比率を変えています。定期的にリバランスなどは行いますが、基本的には10年、20年後も保有できるポートフォリオを組むようにしています。
所属外務員のみなさまについて
所属外務員のみなさまはどんな方ですか。
いまアドバイザーとして所属しているのは4人です。30代〜50代の経験豊富なアドバイザーで、元々、保険会社に勤めていた人が多いですね。
業務はどのような内容に取り組まれていますか。
業務としては、ファイナンシャルアドバイザーとしてお客様の資産管理についてアドバイスを行っています。
提案については全てマニュアル化しています。一貫したアドバイスポリシーがあるので、それに基づいて提案マニュアルを作成しています。アドバイザー全員が会社のビジョンに共感し、それに基づきご提案させていただくことで、お客様に安心してご相談いただける環境をご提供しています。
また、金融教育も手がけているので、企業型確定拠出年金などについて、企業の社員の方向けに継続金融教育を行ったりもしています。
なので、テレアポや外交での新規開拓は基本的に行いません。既存のお客様からのご紹介や、セミナーから個別相談に来られる方など、おかげさまでたくさんの方からご相談をいただいています。今後は、既存のお客様の二世代三世代への家族ミーティングなどのフォローおよび、ネットでの集客にももっと力を入れていきたいと考えています。
メンバーとして求める人物はどんな方ですか。
会社ビジョンに共感してくれる人です。先ほどお話しした通り、弊社はお客様の資産管理と安心と共に提供しています。具体的には、お客様のお話をお伺いし、深く理解した上で、ご意向に沿ったポートフォリオの作成・投資信託の提案を行います。そのため、マーケットベース(相場感)で提案する方は弊社の方針とは合わないと思います。どうしてもいままでの提案方法が身に染みついていると思うので、本当にお客様に貢献したい、安心した最適な資産運用を提供したいと言う気持ちが強い方でないと難しいですね。
その分、その気持ちがしっかりと感じられた方には、入社後しっかりと研修を行い、資産運用について学んでいただきます。
IFA業界への思い
いまのIFA業界に対してはどう感じていますか。
数年前からIFAの認知度が高まってきたので、それについては嬉しく思っています。
しかし、以前はすごく価値のあるアドバイザーとして金融庁もIFAの参入を後押ししていた印象ですが、最近は仕組債や回転売買などで、証券会社と変わりない一業者と認識しているように感じており、その点はとても残念に思っています。
IFA業界の今後についてはどうお考えですか。
ビジネスなので、収益の作り方にさまざまな考え方が生じるのは仕方がないことだと思いますが、マーケットベースでの提案を脱却できるかどうかが今後重要になると思っています。
そういった意味では、ライフプランの考え方を持っている生命保険業界が、IFA業界に参入しているのは相性が良いのではないでしょうか。実際、私も生命保険代理店から依頼され、所属している営業員の方向けに金融教育を行っています。
また、IFA業界は手数料ビジネスが中心ですが、これもまた厳しい状況になってきていますね。ネット証券の手数料無料化が話題となっていますし、その他の商品も手数料が低くなってきています。それ自体はお客様にとって良いことだと思いますが、この風潮が大きくなりすぎるとその分弊害も大きくなると思っています。実際、確定拠出年金や積立NISAは投資家にとっては良い制度ですが、アドバイザーからすると収益にはならず、これだけを積極的に取り組むことは現実的ではありません。そうすると、取り組みが後回しになり富裕層向けのビジネスに偏ってしまいます。結果、資産形成層へのアドバイスが不足するわけです。
コストが高すぎるのはよくありませんが、アドバイスに対して適切な対価は受け取るべきだと思っています。
その点いえば、弊社はFP相談の対価をいただいておりますので、商品販売時の手数料は気にしていません。はじめは厳しい時もありましたが、20年間一貫して有料FPサービス(相談)と投資信託を提案してきました。そのおかげで、いまでは投資信託の残高が積み上がり、信託報酬での収益が安定して獲得できています。このようなフィーだけで黒字化しているビジネスモデルは弊社の強みとなっています。弊社のビジネスモデルが完成したとは思っていません。
目指すは、イギリスやアメリカのように家計を守るための本当の意味でのお金のドクターになることです。まだまだ試行錯誤しながらも、お客様へ安心とともに資産管理を提供していきたいと思っています。