IFA転職

IFAへの転職③ 〜ビジネスモデルを見極め、自分の適性に合ったところを選ぶ〜

2021.02.20.Sat 就職・転職・独立

IFAに転じるにあたって、どの金融商品仲介業者を選ぶかは大切な問題です。求人広告をさっと眺めるだけでなく、もし自分の知り合いがIFAとして活躍しているならば話を聞いてみるなど、事前の情報収集が重要になってきます。

【ポイント】

・IFAになる方法

・IFAの顧客ターゲット

・IFAのビジネスモデル

878社から1社を選ぶ

IFAとして活動する場合、自分で金融商品仲介業者を立ち上げてIFAになる方法と、既存のIFAファーム(IFA法人)の正社員、もしくは業務委託契約による個人事業主としてIFAになる方法があります。

このうちどれを選ぶかですが、自分で会社を立ち上げ、金融庁からライセンスをもらって金融商品仲介業者になるのは、他の方法に比べてはるかに難しいです。会社を立ち上げ、コンプライアンス人材の採用をし、賃貸物件の固定費を払い、金融庁から金融商品仲介業者としてのライセンスを出してもらうという様々なハードルがあります。

ですので、IFAとしてのキャリアをスタートさせるためには、ひとまずどこかの金融商品仲介業者に正社員として入社するか、個人事業主として業務委託契約を結ぶかのいずれかを選ぶというケースが一般的です。また、法人の立ち上げを検討されている方も通常は一旦、どこかの法人に所属をするというのが一般的になります。

では、どこの金融商品仲介業者に所属すれば良いのでしょうか。

金融商品仲介業者として財務局に登録されている業者数は、2020年11月末時点で878社にもなります。ちなみに、10年前の2010年6月末時点では577社でしたから、この10年間で見ても業者数が増加傾向にあることが分かります。

もちろん、それはIFAビジネスがそれだけ注目され、かつマーケットが活況になってきたからなので、決して悪いことではないのですが、IFAになりたくて金融商品仲介業者を選ぶ側の立場からすれば、「選択肢が多すぎて大変」という問題に直面します。

インターネットでIFAの求人募集広告を検索してみて下さい。多くの金融仲介業者が求人広告を載せていますが、そこには次のような文言が並んでいるでしょう。

「資産運用アドバイザー」

「お客様の資産形成に貢献できる株式や債券、投資信託などを選定する」

「報酬は実績次第」

「自分の好きな時に働くことができ、ノルマはいっさいない」

これだけの情報で自分に合った金融商品仲介業者を見つけるのは、なかなか至難の業です。その理由について説明してまいりましょう。

ビジネスモデルは千差万別

「金融商品仲介業者」といっても、そのビジネスモデルは千差万別です。具体的には、「どの顧客層を対象にするのか」と「どの分野に強いのか」の掛け合わせによってビジネスモデルが決まります。

まず顧客層から見ていきましょう。

総合証券会社の場合、超富裕層か富裕層か資産形成層かといった保有資産の規模に関係なく、1人の営業担当者が幅広くカバーするという場合が多いです。

一方、金融商品仲介業者の場合だと、お客様のターゲットをかなり絞り込んでいるところが大半です。つまり超富裕層をお客様にしている金融商品仲介業者が、資産形成層のお客様を対象にして資産運用アドバイスをすることはあまりありませんし、その逆も然りです。

したがってIFAへの転職を考えている方は、所属を希望する金融商品仲介業者が、どのような顧客層へのアドバイスを得意としているのかについて、調べておく必要があります。

一例ですが、資産形成層をターゲットにしたビジネスモデルとしては、ゴールベースアプローチを主軸とした金融資産に対するコンサルティグ業務が多いです。

富裕層を対象にしたビジネスでは、ブローカレッジ業務が多い傾向があります。またその中でも、「日本株に詳しい」、「債券に詳しい」、「外国株式に詳しい」など専門分野が分かれているケースが多いです。

超富裕層を対象としたビジネスでは、上場企業オーナーの資産全体のマネジメント業務が中心となります。

このようにひとことでIFAと言っても、行う業務は全く変わってきます。

金融機関の営業だった時、資産形成層を中心にアドバイスしていた人が、超富裕層に対する資産運用アドバイスをメインにしている金融商品仲介業者のIFAになったら、恐らく金融機関時代の営業経験、積み上げたノウハウを活かすのは難しいでしょう。

したがって、まずは自分が所属したいと思う金融商品仲介業者のメインとなるお客様が超富裕層なのか、富裕層なのか、あるいは資産形成層なのかを調べておく必要があります。

得意とするお客様の層が分かったら、次は所属IFAに対するバックアップ体制や、「どのような分野に強みを発揮しているのか」という点も調べてみましょう。

多くの人にとって金融商品仲介業者のイメージは複数、あるいは単一の証券会社と業務委託契約を結び、その証券会社が扱っている金融商品を販売する会社、というものだと思います。

しかし、さまざまな金融仲介業者の話を実際に伺うと、所属しているIFAに対するバックアップの姿勢や、得意とする金融商品などに、かなりの差異があることに気付きます。

たとえばプラットフォーマーに徹している金融商品仲介業者は、極端な言い方をすると注文の媒介や、それに関連するバックオフィス業務(顧客管理や法令対応、帳票、入金管理、口座開設など)は対応してくれますが、案件相談や顧客への同行などIFA自身の営業活動にはほとんど関与してくれません。自由度は非常に高いのですが、その分だけIFA自身の力量が試されます。

またその一方、IFAが成績を上げられるように、会社を挙げて営業支援などのバックアップに力を入れている金融商品仲介業者もあります。特に正社員としてIFAを雇用している金融商品仲介業者の中には、社員IFAの教育に力を入れているところも少なくありません。

ただし、こうした金融商品仲介業者は、営業戦略などに会社の方針があり、その理念に共感してくれる人を求める傾向があります。

証券営業のキャリアが長く、富裕層のお客様との関係をたくさん有しているIFAなら前者、証券営業のキャリアが短い、あるいは異業種からIFAに転じた人は後者の方を選択される傾向があります。

一方、証券営業のキャリアが短いのにも関わらず、プラットフォーマーに徹している金融商品仲介業者に所属してしまうと、ご自身のスキルが発揮できず、成績が伸びない恐れがあります。自分のキャリア、実力に応じて所属する金融商品仲介業者を、しっかり見極めることをおすすめします。

自分の適性に合ったところを選ぶ

最後にもうひとつ、金融商品仲介業者によって、運用戦略や注力している金融商品に違いがある点も忘れてはいけません。

お客様に提案するポートフォリオは現物の債券と株式のみで、投資信託はほとんど扱っていないところもあれば、逆に投資信託を中心にしたポートフォリオを提案しているところもあります。

また、超富裕層の場合、たとえば銀行や証券会社の窓口に行けば買えるような公募型の投資信託などにはほとんど興味を示しません。彼らが関心を持っているのは、特定少数の人だけに販売される私募債、私募ファンド・プライベートエクイティ(未公開株式)、ヘッジファンドなどです。

このように、一般的にはあまり普及していない投資対象を用いてポートフォリオを提案するわけですから、富裕層や超富裕層を相手にしているIFAは、資産形成層を相手にしているIFAとは異なるスキルが求められます。

また、単純に金融商品を用いた資産運用のアドバイスを行うだけでは、超富裕層のお客様の満足感は得られないかも知れません。苦労して築いた資産を極力減らすことなく子供や孫に引き継いでいけるようにするため、相続税務や会計、保険、不動産、骨董・美術品、ワインなどに関する幅広い知識に加え、それぞれの分野に精通している専門家と連携できるノウハウを求める傾向があります。つまりIFAといっても、どちらかというとプライベート・バンカーに近いスキルが求められるというわけです。

このように「金融商品仲介業者」といっても、対象としている顧客層、所属IFAに対するバックアップ体制、得意とするサービスの中身などによって、ビジネスモデルは大きく異なります。その違いをきちっと見分け、自分が持っているスキルと合致する金融商品仲介業者を選ぶことが、IFAとして成功するための第一歩になります。

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