転職活動を行う際、ほとんどのケースで転職サイトを利用する。多くの求人募集が掲載されており、一目で年収や福利厚生などを確認することができるからだ。
しかし企業の職場環境や内部情報は転職エージェントに依頼しないと分からないことが多い。とはいえエージェントを使ったことがないという方も多いのではないだろうか。初めに必ず面談をするが、何を聞かれるか不安に思う人もいるため、本記事では転職エージェントとの面談に備え、聞かれる事項と利用するメリット、準備物を紹介する。
転職エージェントとの面談で行うこと
転職エージェントは面談で求職者の何を知りたいのだろうか。主な確認事項は以下の3つに挙げられる。
求職者の人柄や性格を知りたい
求職者がどんな人なのかを把握するために面談する。近年ではオンライン相談などを行う転職サイトが増えてきたが、それでもカメラ越しで話をする。電話ではその人の表情などが分からず、エージェント側も感覚がつかめないだろう。
実際に面談することで、求職者の人柄などを把握し、適した企業を紹介するための要素としている。
経歴の把握
面談では職務経歴書などを持参、またはデータで求職者からエージェントへ送る。その際これまで勤めてきた企業の経歴を把握する。
また、仕事内容や役職などを確認して紹介する企業を選ぶ要素としている。例えば長年金融関係の仕事に携わってきた人は、「銀行」や「証券会社」「IFA」などの会社を紹介できる。
さらに「不動産関係」「生命保険」なども金融に関係してくるため、これまでの仕事を活かせる会社を斡旋できるとわかるだろう。もちろん本人の意思で未経験の業種へ転職したいと希望があったとしても、これまでのキャリアを把握することで、管理職ポジションを与えられる可能性も高くなるだろう。
転職する理由
転職活動をする人には必ず理由がある。年収なのかキャリアアップを目指しているのか、それとも未経験の業種にチャレンジしたいのかなど、人それぞれだ。
転職エージェントは求職者が転職する動機を確認し、見合った会社を紹介するのが仕事である。そのため理由と希望に関しては必ず確認される。
転職エージェントを使うメリット
そもそもエージェントを使ったことがない人に向けて、メリットを3つ紹介する。
相性が良い会社へ転職できる
仕事においても自分との相性がある。実績だけを評価する会社もあれば、結果が出るまでの過程や計画などのKPIを重視する企業とさまざまだ。どちらにせよ入社してみないと分からず、相性が良いか判断できない。
しかし転職エージェントを利用すれば、応募する企業の実態や評価基準、職場環境などを教えてもらえる。その結果自分に合う会社へ就職することが可能となるメリットがある。
内定がもらえるまでサポートしてもらえる
転職エージェントは求職者が内定をもらえるまでサポートしてくれる。企業の応募から履歴書の添削、面接対応と多岐にわたるサポートを受けることができるため、万全の状態で面接に挑むことができる。
また転職エージェントを経由して応募すると、一般応募と比べて、採用率が高いと言われている。企業側も「エージェントからの紹介であれば信頼できる」と判断してくれることも多いため、内定をスムーズにもらうことが可能だ。もちろん求職者次第ではあるものの、全面的にサポートしてくれる点は大きなメリットの一つと言えるだろう。
ただしエージェントによってはサポートは3か月までという期限も設定している場合もあるため、あらかじめ確認してほしい。
無料で利用できる
転職エージェントは無料で利用できる。エージェントは求職者を企業に紹介し、採用となった場合、企業側から成功報酬をもらう仕組み。企業側も短時間で求人を見つけることができ、広告などの宣伝も不必要となるため、費用を支払っていても利用しているわけだ。
もちろん求職者には一切費用は発生せず、入社した後の給料から差し引かれることもない。そのうえ、上記の2つのメリットを受けながら転職活動できる点は大きな魅力の一つと言えるだろう。
面接時に持参するもの
では転職エージェントと面談する際に持参するものを紹介する。
職務経歴書
職務経歴書とは自分の職歴や経歴などをまとめた書類であり、いわゆる「自己プレゼンテーション資料」だ。これまで携わってきた仕事や保有している資格、スキルなどを記載する。インターネットなどでテンプレートをダウンロードし、記載して持参していく。エージェントによっては書類を渡されるため、記入して渡すようにしてほしい。
職務経歴書について詳しく知りたい方は「転職活動をする際に使用する職務経歴書とは?記載内容と注意点をわかりやすく解説」を確認してほしい。
履歴書
エージェントによっては履歴書を持参してほしいと言われる場合もある。とはいえ面談時には志望動機や転職理由などは明記できないため、職歴や学歴、住所氏名などを記載する。履歴書を持参することで、求職者の名前や出身大学などを把握するのに用いられる。一般的には職務経歴書があれば問題ないが、エージェント次第であるため、あらかじめ確認してほしい。
履歴書について詳しく知りたい方は、「転職用の履歴書の書き方を分かりやすく解説!初心者が間違えないマナーも紹介」を確認してほしい。
筆記用具と印鑑
筆記用具と印鑑は不要となる場合も多いが、念のため持参しておくべきだ。何か署名する必要がある書類もあるかもしれない。
もしかしたら、面談時に気に入った企業が見つかり、即座に応募する可能性も0ではないためだ。念のため筆記用具と印鑑を持参に、クリアファイルも用意しておこう
社会人らしい服装
面談はスーツで行かなくても良いが、カジュアルらしい服装は控えるべき。社会人の男性であれば、襟付きのシャツやジャケットなどの服装で面談した方がよいだろう。
Tシャツ一枚や、サンダルなどで向かうと、転職エージェントに悪い印象を与えてしまう。人柄を判断する要素にもなりえるため、社会人らしい服装で面談するべきだろう。
まとめ
今回は、転職エージェントと面談する際に確認される内容と利用するメリット、面接時に持参するものについて解説してきた。エージェントは求職者の人柄や性格、経歴を確認する。その人にあった仕事を紹介するためだ。
エージェントを利用したことがない人にとっては、不安と緊張もあるだろうが、転職に関して総合的なサポートを無料で行ってくれるため、ぜひ利用した方が良いだろう。面談をする際は職務経歴書や履歴書が必要となるが、事前に確認しておけば問題ない。