証券会社でのリテール営業経験者は、IFAやM&A仲介会社、コンサルティング会社など様々な業界への転職に成功している。証券リテール営業は「専門技術が身につかない」といわれることも多いが、営業活動の中で培われたコミュニケーション能力や提案力は他業界でも重宝されるスキルだ。本記事では、証券リテール営業経験者に向いている転職先を紹介していく。転職を成功させるためのポイントも解説するため、併せて参考にして頂きたい。
証券リテール営業経験者に向いている転職先

証券リテール営業経験者は、高いコミュニケーションスキルや顧客との折衝力、案件の組成力を有していることから、金融業界以外でも十分活躍することが可能だ。ここでは、特におすすめの6つの転職先を紹介していこう。
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)は、特定の金融機関に属さずに顧客へ金融商品の提案を行う業種だ。金融先進国である欧米では既に広く社会に浸透している存在で、医師や弁護士と同等の地位を有している職業でもある。
「顧客のニーズを把握して金融商品の提案を行う」という業務内容自体は証券会社とそう変わりはないが、IFAにはノルマが課されない点が大きな違いだ。IFAは特定の金融機関に属していないため、商品の販売件数や販売額といったノルマは存在しない。
顧客のニーズに寄り添いながら、真に顧客目線で営業活動が行えることが大きな魅力の職業である。「証券リテール営業は好きだけど、ノルマのために働きたくない」「顧客が本当に必要とする商品だけを販売したい」という人は、ぜひIFAへの転職を検討してみよう。
M&A仲介会社
M&A仲介会社も証券リテール営業経験者に人気の業界である。近年、後継者不在や経営者の高齢化により、M&Aの需要はますます増加している。証券会社によっては、M&Aの専門部署を設けているところもあるため、身近に感じる人もいるだろう。
買い手・売り手双方の条件をすり合わせながら契約成立を目指すM&A仲介会社の業務は、細やかな気遣いと折衝力が必要とされる。証券リテール営業の中でも、顧客のニーズを拾い上げながら成約へと結びつけるスキルが磨かれるため、異業種のM&A業界でも十分スキルの応用が可能である。
コンサルティング会社
他業種への転職では、コンサルティング会社を選ぶ人も多い。顧客のニーズに寄り添いながら、適切なプランを導き出すコンサルティング会社での業務には、案件の組成力や潜在ニーズの発掘スキルが求められる。
一見ハードルが高いように感じるかもしれないが、顧客のライフプランに適した金融商品を提案する証券リテール営業も、コンサルティング業務の一種だといえるだろう。その中で培われたスキルは、他業種でも十分評価されるはずである。
PEファンド
証券リテール営業を行う中で、「ファンドの販売側ではなく、運用側に回りたい」という思いを持った人もいるかもしれない。そうした人には、PEファンドへの転職も考えられる。
顧客から集めた資金をもとにファンドを立ち上げ運用するPEファンドは、投資判断を適切に下すための専門知識が必要となる。より実践的なスキルも求められることから、簡単な転職先とはいえないが、成功すれば年収アップにつながる可能性も高い。
金融機関
同じ金融業界内での転職も選択肢のひとつとなる。例えば、銀行での営業職であれば証券リテール営業で培ったスキルは即戦力となり重宝されることが想定される。業務内容が大きく異なることもないため、転職後すぐに力を発揮することも可能だろう。
また、さらなるスキルアップのために外資系の証券会社や銀行、プライベートバンクへの転職を目指す人も少なくない。
不動産会社
他業種の中では、不動産会社も人気の転職先だ。高い営業スキルが必要とされる不動産会社では、証券リテール営業で培ったコミュニケーション能力や目標達成への意識が大いに役立つことが想定される。
証券リテール営業では富裕層や経営者と関わることが多いため、すでに不動産の知識が身についている人も多いだろう。もちろんさらなる自己研鑽が求められることは間違いないが、他業種でありながら証券会社で得た知識が活用できるのは大きなポイントだ。
証券会社からの転職を成功させるためのポイント

ここまで、証券リテール営業経験者におすすめの転職先を紹介してきた。理想とする転職先と出会うためには、いくつか押さえておくべきポイントがある。ここからは、証券会社からの転職を成功させるためのポイントを解説していこう。
自己分析を行う
まずは、転職活動を行うにあたってしっかりと自己分析を行うことが大切だ。新卒での就職活動で経験がある人も多いだろうが、自己分析を丁寧に行うことで自分が求める企業像や就労条件がクリアになってくる。特に、次のようなポイントを中心に自分の考えを振り返ってみよう。
- 何のために転職活動を行うのか
- いつまでに転職したいのか
- 仕事を行う上で最も大切にしているポイントとは
- 10年後に目指す自分の姿とは
- 自分の「好きな仕事」と「向いている仕事」とは など
転職活動を行うにあたって、しっかり自分と向き合うことで転職先企業を選ぶ際の軸も形成される。転職活動は通常の業務と並行しながらになるため、時間の確保が難しいかもしれないが、まずは自己分析を丁寧に行うことが大切だ。
証券会社での経験の強みをアピールする
転職活動では「自分にはどのような経験があって、どのような業務で貢献できるのか」ということをアピールする必要がある。そのためには、証券会社での経験を通じて体得した強みをきちんと把握しておこう。具体的には、次のようなスキル・強みが考えられる。
- 目標の管理能力
- 目標達成に向けた責任感
- 顧客との折衝能力
- 潜在ニーズを引き出すコミュニケーション能力
- 金融市場に関する専門知識 など
また、上記のスキルをアピールするための実体験なども洗い出しておくとよいだろう。
転職エージェントを利用する
効率よく転職活動を進めるためには、転職エージェントの利用を検討しよう。
転職エージェントでは目標とするキャリアプラン形成のサポートをしてくれるだけでなく、業界の情報提供や転職先企業との交渉も代行してくれる。また、好条件の非公開求人情報も保有していることもあるため、ぜひ積極的に活用したい。
IFA業界への転職は「IFA転職」を活用しよう

本記事では、証券リテール営業経験者におすすめの転職先や、転職を成功させるためのポイントについて解説してきた。証券会社で培った営業スキルやコミュニケーション能力、案件組成力は多くの業界で活用できるものであるため、自信を持って転職活動に臨もう。
当サイト「IFA転職」では、金融業界に特化した転職エージェントサービスを提供している。IFA業界への転職を検討されている方は、ぜひお気軽にご相談ください。