「貯蓄から投資へ」金融資産への投資ニーズが高まる中で、金融庁は「顧客の視点に立ったサービス」を提供する役割を担う存在としてIFAに期待している。社会的な需要の高まりを受けて、IFAに転職やキャリアチェンジを考える人も増え始めた。
そこで今回は、IFAになる為に必要な資格と求められるスキルについて解説する。IFAについて興味がある人をはじめ、IFAを目指して転職を検討している人も参考にしてほしい。
IFAになる為に必ず取得しておくべき資格
IFAになる為に必要な資格と、取得しておくとIFAとしての活動で有利になりやすい資格について解説する。
- 必要な資格:証券外務員資格
- 取得しておいた方がいい資格:生命保険募集人資格・FP資格
「証券外務員資格」さえ取得すれば、IFAとして活動できる。取得しておいた方がいい資格と併せて確認していこう。
証券外務員資格
IFAをするためには証券外務員資格を取得しなければならない。そもそもIFAの役割は「顧客の預り資産を管理するためのアドバイスや金融商品の売買仲介」である。そのため、金融商品を活用した顧客の資産への助言やサポートを行わないといけない。
しかし金融商品の販売を行うには、証券外務員資格が必要になる。実際にIFA事業者の収益構造を見ると、全体の36%が証券の販売にかかる仲介手数料で成り立つ。以上から、証券外務員資格はIFAとして活動するために必ず取得しておかなければならない。
生命保険募集人資格
生命保険募集人資格は、必須ではないものの取得しておいた方がいい資格である。というのも、IFA法人には、生命保険代理店を兼業している事業体系となっているケースがある。実際に、IFA法人の76%は生命保険代理店を展開している。
保険代理店を兼業している場合は、保険商品を活用したコンサルティングも可能である。証券の仲介手数料に次いで生命保険の販売収益が高いので、生命保険募集人資格があると活動に幅が広がる。
生命保険募集人資格は、代理店として兼業している法人であれば取得できる。自分に合っているIFA法人が生命保険代理店を兼業しているか確認しておいても良いだろう。
FP資格
生命保険募集人資格と同じく、FPも取得しておいた方がいい資格である。IFA事業のターゲットになる顧客は広い。積極的な家計管理や資産運用をしなくても問題ない富裕層もいれば、資産形成が必要になるマス層もいる。
顧客の資産状況を増やしていく場合に、資産の状況を把握しながら適切にリードする知識や業務スキルが必要となる。FP資格は顧客の資産管理や計画を作成する業務に役立つだけでなく、信用獲得に繋がりやすい。
FPの上位資格でもあるCFPも取得しておけば、顧客の信頼も得やすくなるだろう。CFPの資格は合格しやすい資格なので、具体的な対策については別の記事で紹介している。併せて確認しておくと良いだろう。

資格と同じくらい大切なのはスキル
IFAになるために必要な資格と、取得しておくと有利な資格を解説した。ただし、資格があるからと言ってIFAとして活躍できるわけではない。資格と同じく重要なのがスキルだ。IFAは「顧客の資産への助言や金融商品の売買をサポートする」エキスパートだ。
詳細は別の記事で解説しているが、目の前の顧客が抱える課題や悩みをヒアリングする力や、適切に課題解決できる知識を把握しておかなければならない。また、自ら顧客を開拓する力や自ら営業計画を計画して遂行しなければならない。
IFAは金融機関から独立しているので、いわば事業主となる。そのため、自分を律しながら顧客の課題をしっかりヒアリングし、さらにコンサルティングできる知識や知見が必要となる。IFAに求められる資格以外のスキルは以下の記事で詳細に解説している。

IFAとして活動する方法を解説
IFAとして活動する方法には2つのやり方がある。「金融商品仲介業者を自ら設立する」方法と「IFA法人(金融商品仲介業者)に所属する」方法だ。それぞれのメリットやデメリットについて、確認しておこう。
金融商品仲介業者を設立する
金融商品仲介業者として登録する方法は、IFAになるためのシンプルなやり方である。個人法人問わず登録できて、令和4年5月31日時点で登録されている個人、法人合わせて821になる。
金融商品仲介業者として設立するには、取扱いたい金融商品を取引できるように、業者と個別に契約手続きが必要となる。さらに、仲介業者として登録手続きを財務局に行わなければならない。
シンプルなやり方ではあるが、登録が済むまで時間がかかるので、すぐにIFAとして活王できないデメリットがある点に注意が必要である。
IFA法人(金融商品仲介業者)に所属する
IFA法人に所属して活動する方法もある。IFAとして活動する方法として近年注目されているやり方だ。IFA法人に属する形だと、金融商品仲介業者として必要な事務手続きやサポートを受けられるので、顧客対応に注力できるメリットがある。
IFA法人には「正社員」と「業務委託」で属するパターンがあるが、基本は「業務委託」と認識しておいた方がいいだろう。実際に、IFA法人に所属しているアドバイザーの約70%は業務委託社員である。
IFA法人といっても、企業の理念や取扱っている金融商品のジャンルや種類もさまざまだ。自分に合ったIFA法人を見つけられるように、情報を収集する点も大切である。
IFAになるためにはサポートしてくれる存在も重要
IFAに必要な資格やスキルをはじめ、IFAになる方法を解説した。IFAは証券外務員資格が必須で、IFA法人によっては生命保険募集人資格やFP資格があると良いだろう。
顧客の課題をヒアリングする力や自律して活動できる力が求められる。資格やスキルを備えたうえでIFAとして活躍したいなら、情報を収集することが大切だ。
IFA法人は徐々に増えており、自分に合う企業を探すだけでも大変な時間がかかってしまう。IFA法人を紹介できるサポートも取り入れながら、自分に合ったIFA法人を探すと良いだろう。
おわりに

IFAになる際に、基本的にはどこかの法人に所属する形を取ることになる。
しかし、全国には約650社ものIFA法人があり、情報を取ることや比較することが難しい。
また、
「どのぐらい収益があれば生活が安定するのか?」
「皆どのようなビジネスをしているのか?」
等、IFAになること自体に対する不安の声も多い。
IFAへの転職に悩んでいる方は、ぜひIFA特化型の転職エージェント「アドバイザーナビ」に相談してみて欲しい。
外資系プライベートバンカー、大手・中堅証券会社のリテール、銀行の資産運用担当者(FA・FP)の方まで多数の支援実績があり、業界のことを非常に熟知している。
また、弊社のメンバーは大手証券出身者であるため実務に関しても非常に詳しい。まずは情報収集をしたいといったカジュアルな形からでも無料で面談ができるので、お気軽に相談してみてほしい。
最近は異動時期や賞与の時期が近いということもあり、毎日多くのご相談をいただいている。
現在、弊社代表も現場に出て転職エージェントとして面談をしているが、面談予約枠に限りがあるので早めの申し込みをおすすめする。
面談のお申し込みは下記フォームからお申し込みを。
参考文献
一般社団法人 投資信託協会 資産運用に係る投資家及び IFA アンケート調査結果(1)―信頼関係の観点から―「金融機関担当者への意識との比較 」
みずほ総合研究所株式会社 独立系フィナンシャルアドバイザー(IFA)に関する調査研究 令和元年 7月 「FAが独立系FAへの移籍を決める理由」
日本証券業協会 協会員の従業員数等 金融商品仲介業者の登録外務員数
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