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証券営業担当者に必要な資格とは

入社後の資格試験勉強や、その資格取得が推奨されている理由については、知られていないことが多い。証券会社に内定した学生は「事前にどのような勉強をしたらよいのだろうか。」と悩み、若手の営業担当者は「毎日、仕事で疲れているのに、勉強なんてする気になれない」と呟く。

会社によって区分は異なるが、資格には「必須」と「推奨」に分けられていることが多い。

本稿では、重要度別に資格試験を紹介する。読み終える頃には、資格取得の優先順位や、その活用場面がイメージできるようになっているはずだ。

目次

営業担当者が必要な資格

証券外務員二種、証券外務員一種

こちらは必須資格。外務員登録がされていないと証券営業はできないからだ。

証券外務員二種に合格し日本証券業界への登録が終了すると、株式や債券の現物取引、および投資信託(一部のハイリスクな商品を除く)に係る営業ができるようになる。さらに証券外務員一種に合格・登録終了後は、信用取引や先物取引などを含むすべての営業活動ができる。

二種、一種とも試験科目は3つ「法令・諸規則」「商品業務」「関連科目」だ。

外務員試験の合格率は両方とも、おおむね7割程度。難易度は低く、テキストや問題集をつかった独学でも対応できる。それゆえ内定した学生には、卒業までに取得しておくように指導されるケースもある。

仮に、入社後の受験で不合格だった場合は大変肩身の狭い思いをする。

なお、二種外務員資格を保有していなくても、一種外務員資格試験の受験は可能だ。ただし、不合格になった場合は30日間経たないと再受験ができない点には注意をしたい。

証券外務員試験はすべての証券営業担当者が合格しなければならないテストだ。まじめに勉強して、難なくクリアしよう。

生命保険一般課程試験、生命保険専門・変額課程試験

総合証券会社など、生命保険を扱っている証券会社に勤めている人であれば必須の資格。

基礎研修受講後に、生命保険一般課程試験に合格し、登録が終了すると生命保険のうち「定額保険」の募集ができるようになる。同時に、生命保険専門・変額課程試験の受験資格も得られる。生命保険専門・変額課程試験に合格・登録後は、定額保険に加え「変額保険」の募集もできるようになる。

生命保険に係る資格は、個人での申込ができない。就職後に会社経由で出願・受験しよう。

必須ではないものの、保有していた方がよい資格

必ず受ける可能性がある資格試験

ファイナンシャルプランナー「AFP」

ファイナンシャルプランナー(以下FP)とは、お客さまの夢や目標実現のために、経済的な側面からサポートする人だ。FPには、国家試験の「FP技能士」1〜3級と、民間資格の「AFP」「CFP」とがある。国家資格試験と民間資格試験はお互いに関係しながら成り立っている。

営業担当者におすすめしたい「AFP」は日本FP協会が主催している民間の資格だ。AFPとはAFFILIATED FINANCIAL PLANNER / アフィリエイテッド ファイナンシャルプランナーの略。このAFPを必須資格としている会社もある。

なぜ、AFPが推奨されるのだろうか?それは、試験内容が、個人の資産形成全般に係る知識を網羅しているからだ。

インターネットを使えばお客さまは、株や投信の注文を低コストに抑えられる。低コストのインターネット取引に対し、対面営業はお客さまの資産全体にかかわるアドバイスをできる点に付加価値がある。

資産全体のアドバイスをする際には、AFPで学ぶ内容は力を発揮する。

<AFPの資格試験>

AFPになるには2つの条件「AFP認定研修(基本課程)の受講」、「2級FP技能検定合格」がある。このうちAFP認定研修(基本課程)には提案書(技能士課程)が含まれる。

AFPになるルートは主に2つある

FP2級技能検定に合格している場合

出典:日本FP協会「AFP認定研修について」(2022年6月調査)

 FP3級技能士検定合格後に、FP2級技能士検定を受験・合格 → AFP 認定研修(基礎課程)のうちAFP資格審査試験の免除制度を利用して技能士課程のみ受講   → AFP

FP2級技能検定に合格していない場合

出典:日本FP協会「AFP認定研修について」(2022年6月調査)

AFP認定研修(基礎課程)を修了 → 2級FP技能検定合格 → AFP

社内評価の側面からおすすめしたい資格試験

証券アナリスト一次試験

証券アナリスト資格は一次試験、二次試験の両方に合格することで得られる。

証券アナリストの学ぶ内容は、必ずしも営業活動に役立つとは限らない。しかし、一次試験に合格していることで、社内的には「基本的な証券知識が身についている」と認識されるケースが多い。

証券アナリスト試験は、3科目6分野で構成される。科目Ⅰは①証券分析とポートフォリオ・マネジメント、 科目Ⅱは②財務分析と③コーポレート・ファイナンス 、科目Ⅲは④市場と経済の分析、⑤数量分析と確率・統計、⑥職業倫理・行為基準だ。

日本アナリスト協会によれば、1次試験3科目合格までの学習時間は平均200時間。相応の勉強量が必要だ。学習を継続させることが合格への足掛かりになる。

内部管理責任者試験

入社7、8年目以降の管理職になる際に、昇格要件となる場合が多い内部管理責任者試験は外務員試験と同じ日本証券業協会が実施している。

支店長や、営業担当の取引に不正がないのかをチェックするのが内部管理責任者の仕事だ。支店や部署単位で配置され、一般的には総務部門の責任者が任命される。

会社によっては、昇格要件ではなく「必須資格」に指定されている場合もある。後になって慌てることのないよう、自社が定める必須資格、昇格要件などは必ず確認しておこう。

ファイナンシャルプランナー「CFP」

 CFPは前述した「AFP」の上位資格にあたる。世界25の国・地域で認められた国際資格「CFP」になるには、400~500時間程度の勉強時間が必要で、難易度は証券アナリスト試験と同レベルといわれている。筆記試験は記述式となる為、あやふやな知識では太刀打ちできない。

個人向け営業担当がCFPを取得すれば、コンサルティング力向上はもちろん、社内でも一目置かれる存在になるだろう。

ファイナンシャルプランナーの最高峰と称されるCFPについてくわしく知りたい方は「CFPとは? 資格のメリットや試験概要を解説」をごらんいただきたい。

営業活動に役立つ可能性のある資格

前章では、履歴書にも記載できるオフィシャルな資格試験を紹介した。本章では、認知度や権威性は高くないものの、営業現場で役立つ可能性が高い資格を2つ紹介したい。

一つ目は相続診断士だ。相続の基本的な知識を身につけて相続診断ができる資格で、相続診断協会が実施している。名刺に「相続診断士」の文字があれば、高齢のお客様の心にささることもあるだろう。ご家族の口座開設や取引開始につながることが期待できる。

二つ目は「ご当地検定」だ。転勤を伴う営業担当の場合、新任地で「よそ者」扱いを受けることがある。そのような時にお客様との距離を縮めるツールとして「ご当地検定」が利用できる。

たとえば、転勤で京都に赴任した営業担当が「京都は日本を代表する都市なのに、 着任して何も分かっていないことに気がつきました。先週からは毎晩、京都について勉強して、京都検定合格を目指しています。」とお客さまに話す。このような会話をきっかけに地域の情報をいろいろとお話しいただける可能性も高い。

相続診断士、ご当地検定は、知名度や権威性は高くないものの営業現場で力を発揮する資格試験と考えられる。

  

本稿ではさまざまな資格を紹介した。知識や勉強は「人としての幅」を広げてくれる。同時に「お客さまとの会話の間口」も広げてくれる。それぞれのニーズに合う資格を優先順位をつけて学び、取得していくことをおすすめする。

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この記事を書いた人

IFA転職を運営し、IFA専門転職支援サービスを展開。創業から100名以上のIFAへの転職を支援。また、アドバイザーナビ経由でのIFAになった方の転職者のコミュニティ「Club IFA」も運営しており、IFA業界の転職市場に精通している。

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