- IFA法人の雇用形態の種類とその特徴や違い
- IFAへの転職時に注目するべきこと
近年、金融機関への転職先としてIFA法人への注目が集まってきている。
実際、日本証券業協会が発表している統計によると、本年6月末時点でのIFAとしての外務員登録者数は5,558名で昨年比約17.3%上昇している。
しかし、IFA転職をするにあたって、
- IFAにはどのような雇用形態があるのか?
- IFAはどのような働き方になのか?
など疑問に思う方が大半ではないか。
本稿は雇用形態の特徴や違いに焦点を当て、上記の疑問を解消するような内容となっている。
弊社は支店を含め全国47都道府県に求人企業があり、時にはIFA法人と転職希望者の間に入り支店の立ち上げ交渉なども行う。金融未経験者から内資系・外資系証券会社に勤めている金融営業経験者まで過去100名以上の転職支援実績を持っており、多くのケースを見てきた。そのため、IFAの雇用に関する知見が広い。
本稿では、雇用形態の種類や形態ごとの特徴の他、転職時に注目すべきことについて解説しているため、ぜひ最後まで読んでほしい。
3つに分けられるIFAの雇用形態
IFAの雇用形態は雇用契約(正社員型)、業務委託契約(フルコミッション型)、ハイブリッド型の3つに分けられる。以下ではそれぞれの概要について説明していく。
雇用契約とは(正社員型)
雇用契約とはIFA法人に雇われて、正社員として働くことである。
代表的なIFA法人としてはファイナンシャルスタンダード株式会社が挙げられる。
この形態は主に大手のIFA法人で取り入れられている。
法人としては均質のサービスを提供することを重要視していることから、積極的にIFAを増やしたいと考えているためだ。雇用契約のメリットは固定給があること、サポートが充実していることだ。
雇用契約では固定給の存在によって収入が安定する。個人事業主として働く場合は、収入を安定して確保することが難しい。それに対して、雇用契約の働き方であれば、固定給によって安定した収入を得られるため、収入の不安定性の心配をしなくていい。
さらに雇用形態では会社から手厚いサポートを受けることができる。社会保険や福利厚生などが充実している上に、教育体制や情報提供面など働く上で必要なサポートも積極的にしてくれる。
個人で業務を行うとなるとどうしてもマーケットの情報収集や分析に労力を費やさなければならないが、法人に所属して勤務しているのであれば必要な情報はすべて勤務先が提供してくれるのである。また、業務委託型では顧客を自身で開拓しなければならないが、雇用契約型であれば、法人側が顧客を用意してくれることがあり、顧客獲得が容易となる。
上記のようなメリットもある一方で正社員型としての働き方にもデメリットがある。
それは正社員としての義務があることだ。
最近ではテレワークやリモートワークを実施している法人も多いが、基本的には勤務先に出社しなければならない。さらに会社側からノルマを設定されていることもあり、法人に所属して働く場合においてはそれを達成することが求められる.
上記の他にもメリットやデメリットが存在する。詳しい内容は次の記事を参考にしてほしい。
業務委託契約とは(フルコミッション型)
業務委託契約とは個人事業主として証券会社やIFA法人と契約を結んで業務を行う働き方のことを指す。
代表的なIFA法人として株式会社アイ・パートナーズフィナンシャルが挙げられる。
国内のIFAとして勤務しているIFA担当者の多くが完全歩合制の業務委託契約というかたちをとっている。
業務委託契約を結んで働くことのメリットは、会社からのノルマがないこと、自由度が高いこと、歩合制であることだ。
会社からのノルマがないということは、特定の証券会社やIFA法人とは契約を結ぶものの、会社側からこの商品をどれくらい販売して欲しいなど、具体的な売上目標や活動方針を指示されることはないということだ。ノルマが設定されていないため、顧客にとって最適な金融商品を必要な分だけ仲介することができる。
また、業務委託契約であれば働き方の自由度が高くなる。
契約先の都合によっては決められた時間に出社することが求められる場合もあるが、基本的には何時から何時まで働くかは働く側が自由に決めることができる。
そのため朝方を中心に勤務したい場合は昼頃までに仕事を終わらせて、夕方以降の時間を有効活用することが可能だ。顧客や契約先との都合が合えば、平日にまとまった休暇を取るなど会社員時代に実現できなかった休日の設定も実現できる。
さらに、完全歩合制であるため正社員型よりも大幅な収入増加が期待できる。
IFA法人や証券会社によっては収益のバック率は収益の還元率を50~70%に設定しているところが大半であり、報酬のインセンティブが高い。収入が個人の実力に直結しているため、成果が高ければそれだけ収入も上昇していく。担当する顧客数や預かり資産が多ければその分年収は上昇し、ある程度業績のある業務委託契約IFAであれば年収3,000万円以上になる。
ただその一方で収入が不安定になりやすいというデメリットがある。
顧客の獲得は自身で行う必要があり、成果が出せなければ完全に無収入となることに注意してほしい。
上記の他にもメリットやデメリットが存在する。詳しい内容は次の記事を参考にしてほしい。
ハイブリッド型とは
ハイブリッド型とは、雇用契約型と業務委託型の給与形態が混合している「固定給与+歩合制のインセンティブ」の形態である。この形態ではIFA法人の契約社員として働くことになる。
代表的なIFA法人は、ひびきFAが挙げられる。
ハイブリッド型のメリットとしては、安定した収入を保ちながらも、成果次第では収入を大きく伸ばすことができる。つまり、業務委託型よりもリスクが低く、雇用契約型よりも収入が上がりやすいという、バランス力のある雇用形態となる。
ただし、バック率は業務委託契約型よりも低い30%-50%であること、固定給は雇用契約型よりも低くなることに注意してほしい。
雇用形態ごとの特徴と違い
前述の特徴をまとめると以下のようになる。
雇用契約 | 業務委託契約 | ハイブリッド | |
---|---|---|---|
収入形態 | 固定給+賞与 | 完全歩合制 | 固定給+インセンティブ |
バック率 | なし | 50%-70% | 30%-50% |
年収水準 | 低め | 高め | 中程度 |
安定性 | 高 | 低 | 中 |
待遇 | なし | 良い | 制限されることがある |
顧客獲得 | 獲得しやすい | 獲得しにくい | 獲得しやすい |
自由度 | 低い | 高い | 雇用契約型よりも高い |
上の表を見ると、雇用形態や収入形態の違いから、年収水準や自由度と安定性や待遇、顧客獲得のしやすさはトレードオフの関係にあることが分かる。
では次にこの表を踏まえてIFAへの転職時に注目することについて解説していく。
IFAへの転職時に注目すること
IFAへの転職時に注目することは、ビジネスモデル、雇用形態(給与形態)、契約条件(バック率や待遇)である。
ビジネスモデルに関しては次の記事を参考にしてほしい。
まず、どの雇用形態が自身に合っているかを見極めてほしい。雇用形態によって年収水準や待遇、自由度などが大きく変わってくる。
安定性や充実した待遇を求める方は雇用契約型。待遇は必要ないけどとにかく自由に働きたい方や、実力に自信があり、高収入を得たい方は業務委託契約型。安定性がなくなるのは怖いが、業務委託型にあこがれるのであればハイブリッド型となるだろう。
次に契約条件に注目してほしい。
バック率や待遇等の契約の条件は法人によって大きく異なる。
業務委託契約型やハイブリッド型であれば、バック率が変われば収入は大きく変化する。そのため、バック率は大きな指標となるだろう。
また、業務委託契約型だと在籍料を設定している法人もある。月に5万円程の法人もあれば、10万円程の法人もある。バック率と合わせて自身がどれほど稼げるのか逆算して選んでほしい。
他にも、雇用契約型やハイブリッド型ではサポート体制や福利厚生などの待遇に注目してほしい。
IFAは証券会社のリテール部門と違い、事務作業を自身で行わなければならない場合がある。IFA法人によるが、事務員を雇っているIFA法人では、IFAが行う事務作業の負担を減らすことができ、営業活動に力を入れやすい。
また、IFA法人に顧客の集客や獲得した顧客の紹介をしてもらえるところもある。つまり、自身で新規顧客の開拓を行う必要がないので、既存の顧客に注力することができる。
上記の通り、ビジネスモデル、雇用形態(給与形態)、契約条件(バック率や待遇)に注目してIFA法人を選んでほしい。
終わりに
IFAになる際に、基本的にはどこかの法人に所属する形を取ることになる。
しかし、全国には約650社ものIFA法人があり、情報を取ることや比較することが難しい。
また、「自分にはどの条件が合うのか?」、「IFA法人の選び方に自信がない」等、IFA転職に対する不安の声も多い。
IFAへの転職に悩んでいる方は、ぜひIFA特化型の転職エージェント「アドバイザーナビ」に相談してみて欲しい。
アドバイザーナビは証券会社出身者で運営している、IFA業界特化のコンサル会社である。野村證券、大和証券、みずほ証券、岡三証券などのメンバーいるので業界動向も熟知している。
実際に、外資系プライベートバンカー、大手・中堅証券会社のリテール、銀行の資産運用担当者(FA・FP)の方まで多数の支援実績がある。
まずは情報収集をしたいといったカジュアルな形からでも無料で相談ができるので、お気軽に相談してみてほしい。
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